開催2シーズン目を迎えた大阪城(大阪市)の「3Dマッピング」の客足が鈍い。予想を上回る60万人を集めた昨シーズンに味をしめ、冬の観光の目玉に位置づけようと意気込んだ主催者側のもくろみは外れた。「3Dマッピングは各地で見られる。物珍しさがなくなったのだろう」(関係者)との声が漏れる。

 3Dマッピングは、建物などをスクリーンに立体映像を映す技術。大阪城の天守閣が炎上し、巨大な日本刀で真っ二つに割れるシーンが話題となり、昨冬の来場者は予想(50万人)を上回った。

 共催する大阪観光局は今冬、70万~80万人の集客を目標に掲げ、昨年12月13日から3月1日までのイベントをスタート。上映内容も一新したが、集客は1月下旬時点で昨冬を下回るペースという。

 寒さを理由に挙げる声もある。大阪管区気象台によると、12月の大阪市の平均気温は平年より1・8度低い6・8度。屋外イベントには悪条件だったという。複数のイベント関係者は「レア(珍しい)感がなくなった」と分析する。府内では今冬、太陽の塔(吹田市)や大阪市・中之島、大阪港のベイサイドでも3Dマッピングが実施された。

 大阪港のイベントの実行委員会メンバーだった大阪市住之江区の担当者は「毎年同じことをして人が集まると思うのは甘い」と断言、今回限りで打ち切る方針だ。

 大阪観光局は期間途中から追加で実施する集客策を練る。だが大阪城の近くを歩いていた会社員の女性は「入場料(大人1700円)を払ってまで見たいとは思わない」と淡々と話した。