「グルメ缶詰」と呼ばれる高級指向の缶詰が活況な中、明治屋が4日、「おいしい缶詰」シリーズの新商品を発表した。「国産小いわしのオリーブ油漬け」「国産さんま(甘辛煮/塩焼き)」「国産炙りいか軟骨」など8商品。

 「おいしい缶詰」シリーズは、昨年2月の発売以来、7万ケース、約6億円を売り上げている。好調の理由について、米井元一社長は「おいしいことに尽きる。値段ありきより、おいしさの追求にこだわっている」。素材のほか、脇役のソースや香味油まで材料を厳選し、素材の段階から下味をつけるなどこだわりの製法でおいしさを引き出しているという。

 グルメ缶詰市場は、家のみスタイルの定着などを受け、2012年の9億円から14年には43億円に拡大している。発表会にゲスト出演した缶詰博士こと黒川勇人氏によると、グルメ缶詰の火付け役となったのは、いなば食品の「ツナとタイカレー」。本格的な味わいが口コミで広がり、大ブレークした。今や老舗缶詰メーカーから海外組まで続々と参入しており、戦国時代を迎えているとういう。