俳優城田優(29)が演出に初挑戦することが9日、分かった。ブロードウェーミュージカル「アップル・ツリー」(来年5月28日~6月7日、東京・赤坂レッドシアター)で、オーディションから携わる。ミュージカル界で活躍する城田が、新境地を見せる。

 03年に俳優デビュー以降、ミュージカルでステップアップしてきた。現在も上演中の「エリザベート」では10年、最年少でトート役を務めた。「ロミオ&ジュリエット」(11、13年)「ファントム」(14年)では主演。特に「ロミオ-」「ファントム」は、相手役がミュージカル初出演で、城田は教育係を担っていたといい「客観的に見る時間が増えたり、アドバイスしたことで成功すると、教えて良かったと感じられるようになった」と演出への思いを強めていき、念願がかなった。

 「アップル・ツリー」は、1966年にブロードウェーで初演の「真実の愛」をテーマにしたコメディー。城田は「シンプルで、メッセージ性が強い。人類は最後は愛でつながっていることを、観客の方々にお伝えできたら」と選んだ。

 今後は、出演者の一部をオーディションで選出する。城田は演出に専念し「なるべく同世代の若い力で新しいものを作っていきたい」と審査に加わる。俳優業は継続するが「客観的に見ることで、俳優としての自分もさらに勉強させてもらいたい。今回のチャレンジを成功させて、願わくは二足のわらじで続けていきたい」と意気込んでいる。

 ◆「アップル・ツリー」 1966年にブロードウェーで初演のミュージカル作品。トニー賞作品「屋根の上のヴァイオリン弾き」の作曲家ジェリー・ボック氏、作詞家シェルドン・ハーニック氏のコンビによるコメディー。「アダムとイヴの日記」「女か虎か」「パッショネラ」の3つのストーリーからなる。