「火花」で芥川賞を受賞した「ピース」又吉直樹(35)が、賞金100万円を投じて関大北陽高サッカー部にホーム、アウェー2種類のユニホーム50着を贈り、16日、同校サッカー部員にお披露目された。

 又吉は受賞直後に高校時代のサッカー部監督で、恩師の野々村征武氏に報告の電話。その後も連絡を取り、野々村氏に、賞金でユニホーム制作を申し入れていた。

 賞金全額を使う形になり、同校の内田正人教頭(58)は「約束を守ってくれて感謝です。卒業生の誇りです」と話した。

 内田教頭によると、これまでサッカー部のユニホームは「十分ではなく、1チームが着用すると、対外試合ができなかった」といい、後輩たちを思った又吉は、賞金でのユニホーム制作を申し出たようだ。

 又吉は卒業後も、恩師を訪ねており、サッカー部時代と変わらぬ固い絆で結ばれている。内田教頭は、そういった又吉の生きざまに感銘を受け「今の生徒たちにも、又吉くんの生き方を見習ってほしい。北陽の誇りです」と話している。