米俳優レオナルド・ディカプリオ(41)が、年末公開予定の新作映画「レヴェナント:蘇えりし者」(日本公開16年4月)で、熊にレイプされるシーンに挑んでいたと報じられて物議を醸している。

 過去4度オスカーにノミネートされながら無冠のディカプリオは本作で、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14年)でアカデミー賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督とタッグを組み、悲願の主演男優賞を狙っていると伝えられている。

 しかし、本作の試写を観たと言う人がネットで、ディカプリオ演じる主人公が冒頭で熊に2度に渡ってレイプされるシーンがあり、観るに耐えかねて試写室を出た人もいたとコメントしたことが発端となり、「そこまでしてオスカーが欲しいのか」「最低だ」と批判が殺到。これに対し、イニャリトゥ監督の代理人がエンターテインメント・ウイークリー誌で、「うわさされるような熊のレイプシーンは存在しない。熊がレオに体を押しつけるシーンはあるが、襲った熊はメスで、小熊を守るためにとった自然の行動」と、うわさを否定するコメントを発表する異例の事態となっている。

 本作は狩猟中に熊に襲われて瀕死(ひんし)の重傷を負ったディカプリオ演じるハンターが、仲間に見捨てられ、大自然の寒さに耐えながらも生き延びて報復を誓う実話を基にした同名小説を映画化したもの。ディカプリオは大自然の中で行われた9カ月にも及ぶロケで、バイソンの生の肝臓を食べたり、動物の死骸の中で眠るなど過酷な撮影に挑んだと言われている。「この作品は他にも真実でないことがたくさん報道されている。その一つが、レオが撮影のために蓄えたあごヒゲにノミが生息していたと言うものだ」と、同監督はコメントしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)