メル・ギブソン(60)が、元恋人に子供の親権協定の一部として支払うことになっていた75万ドル(約7500万円)のうち、50万ドル(約5000万円)を支払う必要がないとの判決を裁判所が下した。

 ギブソンはロシア人ピアニストのオクサナ・グレゴリーヴァ(46)と2009年頃から交際をスタートし、同年10月には娘ルシア(6)が誕生。しかし、2010年4月に破局が明らかになった。

 グレゴリーヴァはギブソンの家庭内暴力を理由に接近禁止命令を求めると共に、子供の単独親権を主張し、ギブソンとの間で泥沼の親権裁判が展開された。ギブソンは2011年、軽暴行容疑について有罪を認め、グレゴリーヴァに計75万ドルを支払う代わりに共同親権を獲得した。

 ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙などによると、この取り決めは、ギブソンの暴行について公の場で話せば、支払いは減額されるという条件付きだったが、カリフォルニア州の控訴裁判所は今回、グレゴリーヴァが2013年、米人気ラジオ番組でギブソンのDVについて話したことで、取り決めに違反したと判断。ギブソンはグレゴリーヴァの違反前に25万ドルを支払っていたが、残りの50万ドルは支払わなくてよいという判決を下したという。

 ギブソンは当初、グレゴリーヴァが暴行時の録音テープを公開しないことを条件に1500万ドル(約15億円)を支払うことに同意していたという。しかし、さらに支払いを求めるグレゴオリーヴァが条件を飲まず、結局、金額は75万ドルとなった。

 ギブソンは26年間連れ添った元妻と2006年に別居し、元妻が2009年に離婚申請。2011年、ギブソンがハリウッド史上最高額ともいわれる4億ドル(約400億円)を超える離婚調停金を支払い、離婚が成立した。(ニューヨーク=鹿目直子)