盲導犬が出演する日本で初の舞台「ありがとう、またね…」が、2月25、26日に東京・日本橋の三越劇場で上演される。02年創設の手話パフォーマンス劇団「は~とふる■はんど」の第16作で、石井ふく子氏(90)が監修。女優藤田朋子(51)が主演する。製作のきっかけは、目と耳が不自由な桜井ようこさん(60)が、昨年2月に上演された15作を鑑賞したことだった。

 桜井さん 高性能の補聴器をして耳は聞こえますが、目が見えないので内容は分からない。ただ、観客の反応で楽しさは感じました。その日に山辺さんに会って「舞台に出てみたい」と言ったことが始まりです。

 同劇団を主宰し、女優兼演出家の山辺ユリコ(56)に相談された石井氏は「冒険だけど、人がやっていないことをやるのはいい。一緒に盲導犬も出せばいいじゃない」と賛同。脚本作りが始まり、藤田の盲導犬訓練士役も決まった。

 盲導犬はニューヨーク生まれのスカイ。6歳の雌で日常は、桜井さんの生活をサポートしている。出演決定後、石井氏の手掛けた舞台を客席でじっと観賞。稽古も重ねているが、藤田も「言葉が通じるわけではないので、スカイに合わせて私たちが対応していきます。その姿がよく見えればいいですね」と話している。

 山辺によると、製作には日本盲導犬協会の理解も得ており、「お客さまに盲導犬の姿を見ていただくことだけでも、いい機会だと思います」。盲目の花嫁役で出演する桜井さんは「スカイと一緒にワクワクしています」と話している。

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