真田広之(56)が12日、東京・新宿ピカデリーで行われた米映画「ライフ」(ダニエル・エスピノーサ監督、7月8日公開)プレミア試写会に登壇した。

 「ライフ」は、火星で発見された未知の生命体が国際宇宙ステーション(ISS)内で6人の宇宙飛行士を襲うSFホラー。真田はベテラン宇宙飛行士でフライトエンジニアのショウ・ムラカミを演じた。

 ホラーと言えば、真田は98年の「リング」、99年の「リング2」に出演した。司会から「リング」に登場する霊の貞子と「ライフ」の宇宙生命体と、どちらが怖いかと質問が出た。

 真田は「『貞子シリーズ』以来のホラーかも知れない。霊とはいえ人間で、出会うのも地に足がつく地球。やはり相手のことが何も分からず、地球を離れたところで遭遇するのは恐怖。どちらの映画が恐怖とかではなく、私の主観で今回の地球外生命体が怖いと言えます」と答え、苦笑した。

 「ライフ」は英ロンドンで約3カ月撮影が行われ、ISSはほぼ実際のスケールで、生活空間も含めてリアルに再現して作られたという。真田は「ぜいたく、この上ない。合成用のブルースクリーン、グリーンスクリーンが一切ない。非常にありがたかったです」と撮影を振り返った。

 一方で宇宙空間での無重力状態を再現するため、行ったワイヤアクションはつらかったようだ。「撮影が始まると、なかなか降りられない。僕は最長で4時間、つられっぱなし。しんどい、暑い…結構くる。1回降ろしてもらおうかと思ったんですが(胸に)日の丸があるから、意地でも降りないぞ、と」と笑いながら撮影を振り返った。

 それでも、宇宙ものは78年の映画「宇宙からのメッセージ MESSAGE FROM SPACE」で経験済みで自信はあったようだ。「最初のフライトから約40年、飛び続けています。監督も最初のリハーサル後『マエストロ(巨匠)』と言っていました」と言い、胸を張った。

 米ハリウッドに拠点を置き、日本に帰ってきたのは半年ぶり。日本での舞台あいさつは、2013年11月に都内で行われた米映画「47RONIN」来日会見以来3年半ぶりだった。客席の間の通路を通って入場すると、ファンから握手攻めに遭った。期待、歓迎ぶりのすさまじさに「グサグサ刺さります…痛いです。自分がやった作品を見ていただく、新しい作品をお届けできる喜び」と笑みを浮かべた。【村上幸将】