写真家の篠山紀信氏(76)が、三島由紀夫が自決する直前に撮影したという幻の写真集について語った。

 篠山氏は14日深夜放送のTBS系「ゴロウ・デラックス」に出演。29歳だった当時に撮影した三島の思い出を語った。

 番組では、亡くなる1年ほど前に撮影したという三島の写真を公開。宗教画「聖セバスチャンの殉教」を再現したもので、木に両腕を縛り付けられた三島の体に弓矢が突き刺さる姿が撮されている。

 「この写真をものすごく三島さんが気に入って、“男の死”っていう写真を出そうって三島さんが言い出したんですよ」と三島の提案を受け、1年がかりでいろいろな男の死に様をテーマに撮影したという。しかし、完成を待たずに三島は自決。篠山氏は「最後に撮った写真の1週間後に、ほんとに自分で自衛隊に入って行って……。撮っている時にいつも死について話をしていたんだけど、本当に三島さんが死ぬんて全然思わなかった」と振り返り、結局この写真集が発売されなかったと明かした。