東京国際映画祭が25日、東京・六本木で開幕し、Hey!Say!JUMP山田涼介(24)が主演作「鋼の錬金術師」(曽利文彦監督、12月1日公開)でレッドカーペットデビューした。映画祭の開幕作品に選ばれた。光沢入りのブラックスーツに金髪という派手な姿も相まって、登壇前から会場の周りを取り囲んだ女性ファンに見つかり大歓声を浴びた。「すごい熱気を感じました」と言い赤じゅうたんの感触を確かめながら歩いた。

 山田にとってもう1つ、「デビュー」を報告する場になった。オープニングセレモニーで、同映画が世界190カ国と地域で公開されることが発表された。公開国・地域の数は、国連加盟国数の196カ国に匹敵する数字で、ほぼ「世界制覇」。山田は「作っている当初は、まさかこうなるとは思っていなかった。世界に言葉の壁はあるけれど、日本の心を描いた作品なので、190カ国の方々にソウル(魂)を感じていただきたい」と意気込んだ。

 作品は錬金術が存在する架空の世界が舞台。人体を作り出すタブーを冒そうとした山田演じるエドは失敗して手足を失い、魂だけの存在になった弟アルと体を取り戻す旅に出る。原作漫画は世界で累計7000万部の発行部数を誇る。昨年6月から行ったイタリアロケでは作品のコスプレをしたファンも出現した。7月にロサンゼルス、パリでのイベントで一部映像が公開された。現地の大反響を肌で感じた山田は「世界で温度は高まっていると思う」と実感した。

 15年「暗殺教室」で映画デビュー後、公開中の新作「ナミヤ雑貨店の奇蹟」まで主演3作を含む出演4作が全て興行収入10億円を超えた。今作も国内300館以上の大規模上映が決定しており、記録継続は確実。ジャニーズアイドルでは、木村拓哉(44)岡田准一(36)二宮和也(34)生田斗真(33)ら先輩たちに続く映画スターとして、さらなる飛躍が期待されている。曽利監督は「ご好評いただいて、やろうと思えばできる」と続編製作に含みを持たせた。山田も「またエドとしてアクションをして、みんなと楽しく、厳しい撮影ができたら」と意欲を示した。【森本隆】