お笑いコンビ・カラテカの矢部太郎(40)が、自身の日常を元に初めて描いた漫画「大家さんと僕」(新潮社)大ヒット感謝イベントが18日、都内で行われ、吉本興業の1代上の先輩の品川庄司・品川祐(45)とトークイベントを行った。

 「大家さんと僕」は、矢部が8年前から東京・新宿の外れの一軒家で88歳の大家さんとともに暮らし、旅行に一緒に行くまでに仲良くなった日常を描いた。10月31日の発売から1カ月で11万部を売り上げる大ヒットを記録し現在、15万部まで部数を伸ばしている。この日も会場がファンで満席になり、矢部は「カラテカ(のキャリア)20年で満席はない!!」と感激した。

 矢部は、相方の入江慎也(40)が「大家さんと僕」を各所で勧めてくれたと喜んで口にした。入江は交友関係の広さを生かして講演会を開き、起業や人脈に関する本を出版するなどの活動で知られるが、矢部は「(入江が漫画のヒットを)喜んで『俺が書けと勧めた』と、いろいろな人に勧めてくれた。アシックスの社長にも会食でプレゼントしてくれた」と明かした。品川は入江のことを「人付き合いとウソで上り詰めた男だからな」と評しつつも「アシックスの社長? すごいな!」と驚いた。矢部は「入江君が高校の同級生でお笑いに誘ってくれた。入江君がいなかったら、ここにいない」と入江に感謝した。

 映画監督としても知られる品川は、矢部が当初、映画のプロット(あらすじ)として作品を書き始めたと聞き「太郎が原作、脚本、監督ってあるんじゃないの? 映画になると思いますよ」と映画化を勧めた。熱烈な映画ファンとして知られる矢部が、笑みを浮かべると「太郎の役を菅田将暉でやるか、自分でやるかで金が変わってくる。太郎だと(製作費は)1000万くらいで、海外の映画賞を狙って単館系でかければいいな。菅田君だと全然、違う」などとアドバイスを送った。

 矢部は近年、俳優としての活動も活発で、品川は「リアルに太郎が主役の小さい映画がいいと思うよ」と猛プッシュ。矢部も「木村祐一さんも『監督は楽しい』と言っていました。楽しいですか?」とまんざらでもなさそうだった。

 矢部は絵本作家のやべみつのり氏を父に持つ。次回作を含めた今後の画業について聞かれると「僕としては完璧な1冊が出来たと思うので、なかなか…難しいですね」と真顔で答えた。

 矢部は印税で買いたいものは? と聞かれると「我々、吉本ですからね…」と意味深に答えた。自ら監督を務めて映画化した小説「ドロップ」など、出版経験のある品川が「(印税は)ほとんど飲んじゃいましたね」と答えると、矢部は「お酒、飲まないですからね。お茶飲みます。コーヒーもたくさん飲みます」と笑みを浮かべた。品川が「付き合いも先輩が多いからね…たまる一方だね」と突っ込むと、照れ笑いを浮かべた。【村上幸将】