発達障害を告白した落語家の柳家花緑(46)が、告白するまでの葛藤と、告白後の心境について語った。

 21日放送のフジテレビ系「とくダネ!」は、発達障害について特集。ゲスト出演した花緑は子どもの頃に発達障害だったことを今年8月に出版した著書「花緑の幸せ入門」(竹書房)で初めて告白した。

 小学生の頃から勉強が苦手で「やっても頭に入らなかった」という。そのことで「苦手意識と劣等感みたいなものが心の中にあって、いつも自信がない。自分は人より劣ってるんだって思いながらずっと生きてきました」と苦しんでいた当時を振り返った。

 人間国宝5代目柳家小さんの孫で、22歳で真打ち昇進。若手のホープとして期待を集めたが「偉い祖父を持って、ずっとそれが20代からプレッシャーがすごくあって、自分に“偽物感”というか、実在感がないっていうか、祖父がいなければ自分の価値がないみたいに思った時期があった」という。「柳家小さんの孫っていうんじゃなくて柳家花緑として世間の人に見てもらいたい」との思いは強く、「僕は人に喜ばれる落語もやりたいし、そういう存在になりたいと思っているんで、正直でいる方が人に喜ばれるんじゃないかっていう思いが強くて、たぶんそういう欲求から、こういうもの(発達障害)を世に知ってもらおうという気持ちになったんだと思う」と告白を決意した経緯を明かした。

 告白したことで「ずっと自分が悪いんだって生きてきたのが、こういうふうに明らかに、僕はとっても良かった。そういう発達障害、学習障害に寄りかかっていいんだっていうのが、生きるのがすごく楽になった」と笑顔で語った。