宝塚歌劇花組「ポーの一族」新人公演が23日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、4年目の100期生、聖乃(せいの)あすかが初主演に抜てき。初センターでスポットライトを浴び「あらためて舞台の新鮮さ、楽しさを感じることができました」と満面笑みで語った。

 気品のある顔立ち、すらりとした立ち姿で、将来を期待されるスター候補生。「芝居の表現力」を課題に臨み、永遠の命を持つ青年の悲哀を芝居にのせて演じきった。

 「ポーの一族」は、萩尾望都氏の傑作漫画を原作に、小池修一郎氏が演出。本公演では、トップ明日海(あすみ)りおが主演し、その姿は、原作の萩尾氏も「漫画から抜け出たよう」と絶賛している。

 そんな大先輩の“当たり役”に、聖乃は「透明感を出そうと、今日は化粧の下地から研究しました」。明日海からは「リラックスして、ケガなくやれればいいから」と助言され、気持ちも軽くなったという。

 節目の100期入団で、同期ではすでに昨年9月、星組の極美慎(きわみ・しん)が新人公演のセンターに立っている。

 100期生2人目の主演をゲット。センターの重みを実感したといい「一緒に(新人公演を)作ってきた仲間、先輩、スタッフさん、そして応援してくださるファンの方、たくさんの愛を強く感じました」と気を引き締めた。

 今回、相手役ヒロインを務めた城妃美伶(しろき・みれい)は、聖乃より3年先輩で、ヒロイン経験も豊富。主人公青年の義母役を演じ、大人の色香を漂わせる難役を情感たっぷりにこなした。

 「(役柄に)なりきることができて、幸せです。ホッとしています」

 本役のトップ娘役、仙名彩世(せんな・あやせ)からは「体をバンパネラ(役柄の永遠の命を持つバンパイア)にしなさい」と難しいアドバイスを受け、たたずまいから研究して舞台に立った。

 城妃ら97期生は、今作で7年までの新人公演を卒業する。城妃は「ここまで(新人学年の)7年、皆さまに支えられ、感謝の気持ちでいっぱいです。明日からの本公演、東京での新人公演も、お稽古で芝居を深めていきたい」と話していた。

 東京宝塚劇場での同公演新人公演は3月1日に行われる。