前ラウンドまで3位だったFULLCAST RAISERZが最終戦の最終マッチで首位DYM MESSENGERSを破って逆転でシーズン優勝を決めた。Dリーグが創設した20-21シーズン以来のシーズン制覇で、1勝に終わった昨季の最下位から大きく巻き返した。
5度目の出場となるチャンピオンシップ(CS=5月31日、TOYOTAアリーナ東京)で、初優勝を目指す。
2位KADOKAWA DREAMSが敗れ、4th MATCHのMESSENGERSとの直接対決がBLOCK VIBEの優勝決定戦となった。
どちらもハイテクニックの連続で、頂上決戦にふさわしい内容だった。先攻のMESSENGERSは、小、中学生の創作ダンスの超超高等版とでも言いたくなるテクニックで始まり、スキルの高さをわかりやすくみせつけた。
大一番は得意のクランプを前面に、相手をたたき潰す印象だったRAISERZも、エレガントでいてワイルドな作品にまとめたのが意外な印象だった。
頭を抱えたくなるほど甲乙つけがたい一戦に、立ち会えただけでも幸せな気分。
軍配はRAISERZに上がったが、ジャッジ席近くでステージを見守っていた、MESSENGERSのYasminやHANAが、笑顔で客席を去って行ったのを見て、少しだけほっとした。
どん底に沈んだRAISERZは無観客だった創設当時からリーグに所属して、初年度はシーズン優勝。以来、上位の常連でCS制覇こそないが4年連続で出場した。熱心なファンも多くいて、プロ野球の巨人にも通じるチームカラーのオレンジは、老舗チームを鮮やかに彩った。
ところが、5年目は14戦もあったのに、わずか1勝。何をやってもはまらない。
それが昨季は、どうしたRAISERZ?
どん底に落ちた彼らは、Dリーグで勝つために、何をすべきか考えた。
肉体派舞踏集団の最大武器である肉体を鍛え直した。
年々変化するルールやジャッジの傾向を突き詰めて、シーズンの流れに合わせて作品と作風を当てはめていった。
そして、チーム内の競争を活性化した。ラウンドごとにチーム内オーディションを行い、実績よりもその時の実力や意気込み、パフォーマンスの向き不向きを見極めた。
若いメンバーが刺激を受け、中堅は意地を見せた。
どんなジャンルのプロチームでも一番難しい、常勝軍団の復活を目指しながら若手の育成も怠らなかった。
リーダーのINFINITY TWIGGZはかつて、脱サラしてプロダンサーの道を選んだ。チームの復活劇を振り返り「なめんなよって、反骨精神ですね」と口にした。飲料水のメーカー勤務から、人気チームのリーダーにまでなり、どん底からもはい上がった。
優勝の瞬間、精悍(せいかん)なほおに、涙が伝った。
「本当に日々仲間と1つの作品、1勝に向かって切磋琢磨(せっさたくま)してこれだけの方が見てくれて、すごい生きているなって、このステージをかみしめて踊っています。ダンスシーンがあって、歴史があって、それぞれ自分たちのやっているジャンルにカルチャーがあって、そんなダンスの好きなやつらがぶつかりあって、自分の誇っているものをぶつけあって戦う、このDリーグが俺は大好きです。FULLCAST RAISERZとして5回目のCSに挑みます。いろんなものを背負いこんで、全員で優勝しに行きます」
いつもなら自慢の肉体を披露するところを、メンバー全員で思いとどまった。
「CSで優勝したら、脱ぎます」。
これも盛り上げるための作戦だろうか?
チームだけでなく、Dリーグのために、やるべきことを求め、考え抜いている。【久我悟】
【BLOCK VIBEの結果】(数字はパーセント)
1st Match:KADOKAWA DREAMS〔41.7-58.3〕LIFULL ALT-RHYTHM
2nd Match:SEGA SAMMY LUX〔46.8-53.2〕M&A SOUKEN QUANTS
3th Match:CHANGE RAPTUES〔52.2-47.8〕ValuenceINFINITIES
4th Match:DYM MESSENGERZ〔45.2-54.8〕FULLCAST RAISERZ
MVD:Valuence INFINITIES/TSUKKI
順位=CSP スコア
1位 FULLCAST RAISERZ=19 419.5
2位 DYM MESSENGERS=19 388.4
3位 KADOKAWA DREAMS=18 390.4
4位 CHANGERAPTURES=12 343.7
5位 LIFULL ALT-RHYTHM=10 343.6
6位 SEGA SAMMY LUX=8 333.2
7位 Valuence INFINITIES=7 313.45
8位 M&A SOUKEN QUANTS=3 267.56





