MBS(大阪市北区)は19日、元神戸市議の政務活動費の詐欺事件を扱うニュース報道で、3人の元神戸市議のうち、1人について、昨年末から計4回にわたり、別人の映像を放送していたことを明らかにし、謝罪した。

 MBSはこの日、TBS系全国ネット「ひるおび!」で午前11時40分ごろと、午後の名物帯番組「ちちんぷいぷい」で午後3時53分ごろ、2回に渡り、政務活動費を搾取した元神戸市議に有罪判決というニュースを報じ、以前に放送した映像を合わせて流した。

 その映像が、元神戸市議の竹重栄二被告とは別人のものだったという。同局によると、この映像は昨年12月26日、今年1月26日の「あさチャン!」(関西ローカル)で放送したもので、今回、有罪判決のニュースを受けて使用した。

 同局は、誤使用の経緯について、最初に映像を使用した昨年12月26日朝のニュースを準備する段階で、編集担当者が取材担当記者に確認したところ「当該人物に間違いない」と返答があったといい、その後、取材担当者は映像の静止画像を確認もしたという。

 誤りに気づかないまま1月、この日も映像を再利用し、この日夕になって、元神戸市議の近隣住民を名乗る視聴者から、同局へ間違いの指摘があり、同局は、ミスを把握。この日夕の「ちちんぷいぷい」と「Nスタ」「VOICE」で、おわびを放送し、視聴者に謝罪した。

 番組では、別人映像を計4回にわたって放送したことを伝え「ご本人や関係者の皆さまには深くおわびし、訂正させていただきます。たいへん、申し訳ございませんでした」と謝罪した。

 同局は、誤使用へいたった理由について「取材担当者が元市議本人であると思いこんだ」「撮影したカメラマンは元市議ではなく別人との認識もあったが、素材伝送時に本社には(誤りが)伝わらず、キャプションにも別人との記載がなかった」と説明している。