最多13部門にノミネートされ、賞レースの大本命と見られていた「シェイプ・オブ・ウォーター」を手がけた、メキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督(53)が、監督賞で初のオスカーを獲得した。

 デル・トロ監督は、日本の特撮や怪獣映画の熱烈なファンとして知られる。「シェイプ・オブ・ウォーター」にも劇中に異生物が登場するが、この手の怪獣、異生物が登場する作品が、アカデミー賞の主要賞でオスカーを獲得するのは史上初とも言われている。

 デル・トロ監督は、スピーチの中で「ありがとうございます。私は移民です。多くの皆さんのように過去25年間、自分の国に住んでいました。この映画業界が、国境を越えて仕事をすることを勧めてくれたと思う」と、トランプ米大統領の厳しい移民政策を踏まえたか、自らが移民であることを強調した。その上で「半魚人にミュージカルを加わった脚本を13年に(スタジオの)FOXサーチライトが気に入ってくれた」と感謝した。

 デル・トロ監督は、06年に「パンズ・ラビリンス」が脚本賞にノミネートされて以来、11年ぶり2度目のアカデミー賞へのノミネートだった。