タレントのキャシー中島(66)原案で、夫の俳優勝野洋(68)が主演する舞台「すなっく ラ・ボエーム」(東京・俳優座劇場、5月15~20日)の制作発表が2日、都内で行われた。キャシーが1975年(昭50)に通っていた、東京・青山にあった伝説のゲイバーを舞台に、店に出入りする人々の姿を描く。脚本をキャシーの娘で女優の勝野雅奈恵(36)が担当する。

 キャシーは「私が大人になって行きつけの店で見ていた風景を娘に話して脚本にしてもらいました。半分は本当の話で、半分は大きく膨らませています。勝野は若い頃にオネエの方たちにモテモテで(ゲイ雑誌の)『薔薇族』の表紙を飾ったことがあるんですよ(笑い)」。雅奈恵は「母の一番そばにいる私が、母の言葉を物語にすることが一番いいんじゃないかと思って、身を削る思いで書かせてもらいました。演出補佐という立場でも頑張ります」と話した。

 主役の警察官ウッチーを演じる勝野は「妻が原案で娘が脚本。信じられない思いですが、こんなに才能のある人のそばにいたんだと感動しています」。物語の鍵となるゲイバーの名物ママ、テリーを演じるのは、勝野の40年来の友人で松竹新喜劇座長の渋谷天外(63)。女装した渋谷は「今回は標準語のオカマの役だから、どうなるかわからない。(勝野と)一緒に出ることをOKしてから脚本を読んだら、この役だったんで『ハメられた』と思った(笑い)。ま、この家族は、自分にとって本当の家族みたいなものなのでしょうがないと思ってます。本番の舞台では、もう少しきれいになってきます」と話した。

 劇中で勝野の息子を演じるのは、実際の長男の勝野洋輔(34)。「父子役ですからね、どう演じたらいいか迷っているところもあります。衣装も担当させてもらうので、70年代のパワフルでサイケデリックな時代を表現できるように頑張ります」。キャシー役を演じるのは、草刈正雄の次女の草刈麻有(24)。「勝野さん一家は仲が良くて、私のことも家族の一員みたいに扱ってくれる。23歳のキャシーさんをうまく演じられるように頑張ります」と話した。