好角家で知られる漫画家のやくみつる氏(59)が、大相撲における「女人禁制」の慣習の見直しをあらためて求めた。

 5日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」は、4日の京都・舞鶴市で行われた大相撲春巡業で起きた不適切アナウンス問題を取り上げた。

 舞鶴市の多々見良三市長(67)が土俵上であいさつ中に体調を悪化させて倒れ、医師と見られる女性が土俵上で心臓マッサージを行った際、場内アナウンスを担当していた若手行司が「女性の方は土俵から下りてください」と注意し、物議をかもしているこの問題に、日本相撲協会の元外部委員でもあるやく氏は「ほんとすみません。私が謝ることではないんですけど……」と言いながら頭を下げた。

 大相撲の土俵は古くから女人禁制とされる慣習があり、過去にもその是非についてたびたび議論されてきた。00年には太田房江大阪府知事(当時)が春場所優勝力士に府知事賞を授与するために土俵に上がることを求めながらも認められず、賛否を呼んだ。やく氏は「その時にも自分は『そんなのとっとと撤廃しちまえ』と申し上げたんです。そんなことをしても大相撲の興行に1ミリも関わってくる問題ではありませんし、精神性や美意識を崩すことでもない」と、女人禁制の慣習に反対する姿勢を示した。

 しかし当時、やく氏の意見に反対する声も多かったという。「ずいぶんと逆に反対意見をいただいて、『え?世の中の認識とはこういうものか』」と肩を落とし、「そもそも女性が不浄だという感覚が根本にあるわけですよ。そんなこと女性がよく言わせておくなと思った」と語った。