元広島の衣笠祥雄氏が23日、上行結腸がん(大腸がん)で死去したことが分かった。71歳だった。

 広島生まれで、カープファンとして知られる風見しんご(55)がコメントを発表した。「僕が子どもの頃、旧広島市民球場で球場入りする各選手のサインをよくもらっていましたが、ただひとり衣笠選手だけもらうことができなかった。それはその頃からすでに鉄人オーラが大きすぎて身体から発せられる気に圧倒されてビビってしまってサイン下さいの一言が言い出せませんでした」と少年時代のエピソードを明かした。

 昨年3月、風見がMCを務めていたNHKラジオ「ごごラジ!」に衣笠さんがゲスト出演した際に、そのエピソードを伝えると「子どもの頃、思っていたような鉄人どころか柔らかい笑顔で、『じゃぁその時の分もね』とおっしゃって3つもサインしてくださいました」。

 衣笠さんのカープ愛にも触れたといい「久しぶりのカープの優勝を本当にうれしそうに満面の笑みで語ってくださった姿、優しい声が忘れられません。たくさんの勇気をいただきました。ありがとうございました」と悼んだ。