音大卒の男女9人で構成するコーラスグループ「アンサンブル・コノハ」が、初のシングルCD「ふるさとの朝」(ユーキャン)をリリースした。

 ミュージカル女優としても活躍中のメンバー中村萌子が、先ごろ放送されたテレビ東京「THEカラオケバトル」(水曜午後7時54分)で100点満点の優勝を果たしたばかり。中村は「コノハのメンバーは、私以上の実力を持つ人がいっぱい。自信のハーモニーを聴いてほしい」と話している。

 2年前に初出場初優勝で話題をさらい、今回「あの鐘を鳴らすのはあなた」で満点優勝して圧倒的な歌声を見せつけた。中村は「今の時代はテレビで歌える機会が少ないので、自分の歌を聴いてもらえるチャンスだと思って集中しました。クラシックの声楽を学んできたので楽譜通りに歌うのは得意ですが、その上でどう個性を出していくか、歌手としてできることの幅が広がりました」と話す。

 ニューシングル「ふるさとの朝」は、里帰りの風景を通して、誰の心にもある故郷の心象風景を描いたふるさとソング。作詞松井五郎、作曲馬飼野康二のコンビがコノハのために書き下ろした。優しく広々としたコーラスが、聴く人の心に染み渡る味わいだ。

 男性コーラスを担当している東京芸大声楽科出身の佐藤直幸は「歌詞を見たら、ふるさとの宮城のいなかの風景がすぐに浮かんだ。仕事に行くおじいちゃんに毎日『いってらっしゃい』とほっぺにチュッとしていた子供時代を思い出したりして、幸せな気分になりました」。

 大学卒業の2011年に東日本大震災が重なり、地元の仙台が被災地となっただけに、ふるさとへの思いはひとしおだ。「自分が歌をやっていることの意味が分からなくなってしまった時、被災した方々の前で童謡の『ふるさと』を歌わせていただいたら本当に喜んでくださって、心がひとつになれた。ふるさとというものが持つ力を実感し、思いをこの『ふるさとの朝』に込めました」。

 中村は「土地というふるさともあれば、両親など大切な人というふるさともある。私たちの合唱が、みなさんのふるさとにマッチしてくれたらうれしいです」と話す。

 6月9日に東武百貨店池袋店で、同10日に成城コルティでそれぞれ発売記念イベントを行う。中村は「チームワークとハーモニーには絶対の自信をもっています。カラオケバトルでの優勝を弾みに、合唱といえばコノハ、というくらい知名度が上がるようにみんなで頑張りたい」と意気込んでいる。