デビュー15周年を迎えた歌手北山たけし(44)と10周年の大江裕(28)が、師匠の北島三郎が命名したユニット北島兄弟として6日、都内で、「北島兄弟コンサート」を行った。公演では、3月に都内の自宅で亡くなっていたことが明らかになった北島の次男大野誠さん(享年51)が、大地土子の名前で作詞、作曲したデュエット曲「ブラザー」を初披露した。

 公演前に会見を行った北山は「同じ周年、2人で全国を回りたいと師匠に話したら、『いいじゃないか。お前たちは北島ファミリーの兄弟。北島兄弟という名前をあげるから、北島兄弟という形で全国を回れ。誠にデュエット曲をお願いしてみろ』と言われ、お願いしました。曲はアレンジを残すだけでした、その前に誠さんが亡くなった。2人にとっては誠さんの思いの詰まった曲。2人ことを思って作ってくれたのかなと思う。大切に遺作として頑張って歌っていきたい。若い世代の方に、演歌かっこいいと思われるように届けていきたい」と語った。

 また「気がつけばあっという間の15年だった。演歌界では、まだまだ若手。師匠の背中を見ながら兄弟で頑張っていきたい。これからは師匠がサブちゃんと呼ばれているように、タケちゃんと身近に感じてもらえる歌手になりたい」と語った。

 大江は「10周年の年。誠さんが頑張って曲を作っていると言っていて、曲もできた。そんな年に、誠さんが旅立つなんて思わなかった。一緒に海外に行く話もしていた。海外に行って、日本の演歌の良さを聴いてもらえばいいと話していた。この言葉を忘れず、『ブラザー』という曲を若い人に聴いてもらいたい」。また、10周年にあたり「北島先生に恩返しがしたい。最近はバラエティーによく出させてもらっていますが、これからもいろんなことにチャレンジしていきたい」と語った。

 最後に北山は年末の紅白に向け、「誠さんが心を込めて作ってくれた『ブラザー』。本当は聴いてほしかった。でも残してくれた作品を年末に向かって2人で歌って、いい結果を残すことが恩返し。恩返しできる年にしたい」と語った。さらに「北島という大きな名前をもらったので、1度もらったらこっちの物。これからも使いたい」と語った。

 大江も「誠さんに一番聴いてもらいたかった。でも会場のどこかで聴いてくれていると思う。(誠さんと皆さんに)届く歌を歌えるように精進していきたい」と語った。