女優吉岡里帆(25)が主演のフジテレビ系連続ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」(火曜午後9時)で新人ケースワーカー役に挑戦している。

 義経えみる(吉岡)は、安定を生活を求めて東京都東区役所に就職、公務員になった。だが、最初に配属された「生活課」で待ち受けていたのは、個性豊かな職場の仲間たちと、生活保護の壮絶な現実だった。彼女が担当する110世帯の生活保護受給者たちには、知れば知るほど奥の深い、それぞれの人生があった。原作は週刊「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載中の柏木ハルコ氏の同名コミック。

 えみる(吉岡)の上司の京極大輝を演じる田中圭(34)は、21日放送の第6話の見どころについて「管理職の京極が、自分の判断ミスからえみると一緒に現場に立つ、というところ。僕も6話で初めてロケに行きました」。これまで区役所を一歩も出ていなかった京極がいよいよロケに参加。田中は「暑かったです」と振り返った。京極は上司としてえみるに優しさを見せるが、田中は「優しさを出そうとすると、なんかかわいらしくなってしまうんですよね。何でしょうかね、あの京極の照れは。演じていて、あれ? と思ったので、セリフを変えたりもしているんですけど。『義経ちゃん(えみる)になんか特別な想いを抱いてるの? 京極、もしかしていけないことを考えてるの』って」と笑った。

 第6話では、生活保護の申請を希望しながら、親族に援助が可能かを確認する“扶養照会”をかたくなに拒否する島岡光(佐野岳)が、その理由を決して明かそうとしない。困り果てたえみる(吉岡里帆)は、上司の京極大輝(田中圭)の指示で扶養照会を強行する。すると、行方知れずの息子を心配していた島岡の父・雷(小市慢太郎)が上京。総合病院の院長である雷には扶養の意思があることから、京極はすぐに親子を会わせるようえみるに指示するが、それを知った島岡は宿泊施設から逃走してしまう。自分を拒絶する息子の態度に、「構ってほしいだけ」と笑う雷だったが、その笑顔がなぜか引っかかるえみる。そこへ、島岡が駅のホームで自殺をはかったという知らせが飛び込んでくる。

 幸い、島岡は一命を取りとめたが、緊張の走る役所。そこに雷が再び突然訪ねてくる。激しいけんまくで息子の居場所を聞き出そうとする雷の変わりように、えみると京極は驚きを隠せない。扶養照会の判断が正しかったのか、悩む京極にベテランケースワーカーの半田明伸(井浦新)は「人が死ぬところだったんですよ」と強い言葉で告げる。

 自らの判断が、受給者の命の危険を招いたと感じた京極は、「この件は、全て自分の責任で対応する」と宣言。役所内でカンファレンスを開き、今後の対策について話し合うが、島岡親子が抱える問題が分からないだけに、なかなか答えは見いだせない。ショックが大きいえみるは、自分の考えを持てないでいた。

 その頃、病院では島岡の様子に異変が起きていた。面会できるようになったと連絡を受けたえみると京極は、島岡の元を訪ねる。そこで主治医から、島岡親子について衝撃の事実を聞かされる。