2020年末をもって活動休止を発表した嵐。その影響は、広告業界にも波及している。関係者の間では、グループでの出演費は約1億5000万円とされているが、活動休止を発表したことで高騰し、2億円となるとの見方もある。関大の宮本勝浩名誉教授(74)は30日、休止までの2年間の経済効果を試算し、約3249億296万円と見積もった。

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現在、嵐としてCMに起用してるのは「日本航空」「日本郵政」などの5社。個人では、櫻井翔(37)二宮和也(35)の5社を筆頭に、相葉雅紀(36)松本潤(35)がそれぞれ4社、大野智(38)で2社と延べ20社が契約している。テレビで、嵐を目にしない日はない。

今回、20年末での活動休止を発表したことで、CM出演費が「高騰する」と複数の広告関係者は語る。ある広告代理店関係者は「活動休止を発表したことで広告キャラクターとしての需要が高まる」とし、「現在の相場を超える出演費を払っても出てほしいという企業が出てくる。会見での潔さ、爽やかなイメージは、企業としても魅力を感じるところ。『嵐』ブランドに飛びつくことで企業価値も高まる」と説明した。

現在グループとしての出演料は約1億5000万円、個人で約1億円とされている。別の広告代理店関係者は「それぞれ5000万円の上乗せがあっても不思議ではない」と明かした。

一方で、複数の関係者が口をそろえるのは、「嵐もしくはジャニーズ事務所は、そこに便乗しない」との見方だ。キャスティング担当経験者の1人は「ジャニーズ事務所も、嵐も、とても義理堅い。お金よりもこれまでのお付き合いを優先させるのではないでしょうか」と明かす。

別の広告代理店関係者も「仮に高額オファーがあったとしても、ジャニーズ事務所が受けるかどうかは別問題。これまで嵐を支えてくれた企業や番組スポンサーを優先するでしょう」と話した。

 

10年から5人でCMに出演している日立アプライアンスは「契約に変更はございません」と引き続き嵐に広告塔の先頭に立つことを期待。14年からイメージキャラクターのスマホ向けパズルRPG「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」を運営するガンホー・オンライン・エンターテイメントも「変更はありません」としている。10年からCM出演する日本航空は「20年までご一緒させていただければと考えております」と、各社とも、継続の意思を示している。14年から観光立国ナビゲーターとして起用する観光庁は「肩書は継続中」としながらも「今後は未定」としている。