宝塚歌劇団の元星組トップスター北翔海莉(ほくしょう・かいり)の母で、会社役員の吉野博子氏(67)が、所得税約4900万円を脱税したとして、東京国税局から所得税法違反の疑いで、千葉地検に告発されていたことが19日、関係者や吉野氏の代理人弁護士への取材で分かった。

告発されたのは1月30日付。関係者や弁護士によると、吉野氏は16年、実質的に運営していた北翔さんの私設ファンクラブの会費やグッズ販売の収入計約1億2100万円を申告しなかった疑いが持たれている。

北翔は98年に宝塚歌劇団入団。専科を経て、15年5月に星組トップへ就いた苦労人で、16年11月に退団した。退団後は千葉県の実家を拠点に女優活動をスタートさせ、所属事務所的な役割は、北翔の母、吉野氏が担っていた。

昨年11月には、退団後に舞台共演した故藤山寛美さんの孫、藤山扇治郎と結婚し、話題を呼んだ。

宝塚歌劇団スターの場合、在団中から、個々のスターに個別にファンが集まり、実質的なファンクラブ状態の集団ができる。その中でも、トップスターのクラブは最大規模になることが多い。

宝塚5組は順次、宝塚大劇場や東京宝塚劇場、全国ツアーや大阪、東京での公演など、上演を重ねていくが、個々のファンクラブは、それぞれが公演チケットを入手し、クラブメンバーは優先的にチケットを得るなど、多様な独自のシステムが構築されている。