タレントのデヴィ夫人(79)が代表を務める芸能事務所「オフィス・デヴィ・スカルノ」(東京)の運営費を着服したとして、業務上横領の罪に問われた元経理担当辻村秀一郎被告(61)に、東京地裁(大川隆男裁判官)は5日、懲役4年(求刑懲役4年6月)の実刑判決を言い渡した。

デヴィ夫人は公判後、取材に応じ、「彼がどんなうそを警察に言っているか知りたい。民事の方でだんだんと、どういう悪事をしたか分かると思います」と述べ、辻村被告に対する民事訴訟の準備を進めることを明らかにした。

夫人はこれまで、実際の被害額は2億円以上で、横領の一部しか罪に問われていないと訴えてきた。そのため損害賠償の予定額は約2億円としたが「取れないということが分かっていて2億と言うと、それだけ収入印紙がかかりますから、適当なところで、と思ってます」と含みを持たせた。

夫人は実刑4年判決については「納得はいきます。あちらは分かりませんが、私はいいと思ってます」と検察の控訴は求めなかった。ただ辻村被告には「反省も何もしていないと思います。発覚したときニヤニヤしてましたし、護送車では笑ってましたし、この間の法廷も居眠りしてましたから」と変わらぬ不快感を示した。

公判で大川隆男裁判官は、辻村被告が約2年7カ月にわたって横領を続けたと指摘。「被害額は高額で弁償されていない。デヴィ夫人に対する不満も犯行を正当化できない」と述べた。判決言い渡し後には「自分の何がいけなかったかを見つめ直し、実効的な被害弁償を考えてほしい」と説諭した。

起訴状によると、辻村被告は13年12月~16年8月に59回、事務所名義の預金口座から計約2200万円を引き出し、着服したとしている。