タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校107期生の合格発表が28日午前、兵庫県宝塚市の同校で行われ、競争率22・9倍(昨年24・1倍)の難関を突破した40人が、あこがれの扉を開き、夢へ第1歩を踏み出した。

今年は海外からの受験生はおらず、国内のみで915人(昨年965人)が受験。競争率22・9倍は、昨年からは減少したものの、劇団100周年にわいた14年(101期生)の競争率約22倍を上回った。合格者40人の最高身長は173・0センチで昨年比2センチ減、平均身長は165・0センチで、例年並みだった。

この日午前10時、制服姿の106期生が合格者の受験番号を記したボードを掲示。すると、両親やレッスンの先生らと抱き合い、涙しながら歓喜する合格者から歓声が上がった。その一方では、自分の番号がボードになく、ハンカチで顔を押さえ号泣する受験生もいた。

紺色のトレンチコートで、ひときわ背の高さが目立った棚倉美羽(たなくら・みう)さん(16=愛知県)は、男役志望で身長は172・3センチ。髪の毛はリーゼントにまとめ「すごくうれしいです」。中学3年で宝塚ファンになり、高校1年からバレエなどを習い、受験した。

「上品でユーモアもあって、優しさも見せつつ、でもやんちゃさも魅力の男役になりたい」と言い、あこがれのタカラジェンヌには、歌、ダンス、芝居と高いレベルで3拍子そろう星組スター礼真琴(れい・まこと)をあげた。

同じく男役志望の今泉ねねさん(埼玉県)は、受験資格を初めて得た昨年と、高校1年の今年、2回目の受験で合格。「かっこよくて、芸もすべてがすばらしい望海風斗(のぞみ・ふうと)さんのようなスターになりたい」。当代トップきっての歌唱力を誇る雪組トップを目標に、夢へ向かってスタートを切った。

107期生の入学式は4月18日に行われる。