女優沢尻エリカ容疑者(33)が16日、合成麻薬MDMAを所持したとして、麻薬取締法違反の疑いで、警視庁組織対策5課に緊急逮捕された。「私のものに間違いありません」と容疑を認めている。

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著名人の薬物案件は最近、ライバル関係にあるとされる薬物捜査部隊、警視庁組対5課とマトリの「摘発合戦」の様相も呈している。前者は警視庁組織犯罪対策部第5課の通称で、薬物や銃器などの捜査を担当。後者は、厚生労働省の各地方厚生局にある薬物捜査専門の「麻薬取締部」や所属取締官の通称で、東京には関東信越厚生局麻薬取締部がある。

今月の逮捕例でみると沢尻容疑者は組対5課で、国母和宏容疑者はマトリ。今年では3月のピエール瀧と5月の田口淳之介はいずれもマトリが続いたが、7月のDragon AshのベースKenKen、RIZEのJESSEは組対5課。今回の沢尻も組対5課だ。さかのぼると15年10月の元女優、16年2月の元プロ野球選手は組対5課。同6月の元俳優、同10月の元女優はマトリだった。

薬物担当の捜査関係者は「警視庁など警察とマトリは互いに、摘発を意識しています。著名人を逮捕すると世間への強い警告になるため薬物捜査は、情報を元に“大物”を狙って行動確認するなど、長期間内偵捜査をするのが一般的。組対5課にもマトリにも“摘発候補リスト”があり、今後も双方の著名人逮捕が続くのでは」と話している。