松竹新喜劇で故藤山寛美さんとともに活躍したベテラン俳優の小島慶四郎(こじま・けいしろう=本名同じ)さんが23日午後10時5分、老衰のため、大阪市内の自宅で亡くなっていたことが24日、分かった。88歳だった。

小島さんはここ数年、高齢のため、体調を崩しがちで、調子と相談しながらの出演が続き、最後の舞台は今年1月の京都・南座での公演。11月に大阪松竹座で行われた「錦秋特別公演」は出演予定だったが、体調不良で休演していた。

小島さんは、かもめ座、新春座やテレビドラマへの出演を経て、松竹新喜劇を創立した先代の2代目渋谷天外に見いだされ、60年に新喜劇に入団。軽妙な演技とともに、市井の人間の切なさを加えた芝居心は卓越し、寛美さんの「相手役」も務めた。寛美さんとは違う「アホ」にもなりきり、「寛美時代」の新喜劇で中心人物でもあった。

寛美さんの死後、先代の息子、3代目渋谷天外(65)が新生松竹新喜劇を立ち上げると、再び、新喜劇黄金時代を知る役者として、劇団を支えた。

長年の功績がたたえられ、16年には「第51回大阪市市民表彰文化功労」を受けた。

通夜は25日午後6時から、告別式は26日午後1時から、いずれも大阪市阿倍野区阿倍野筋4の19の115「やすらぎ天空館」で行われる。喪主は長男の小島慶一(こじま・けいいち)さん。