サッカー元日本代表MF中田英寿氏(43)が、日本テレビ系で18日に放送の「世界一受けたい授業」(土曜午後7時56分)で、47都道府県20万キロを旅して再発見した日本の伝統文化の魅力を、自ら体験し、味わう形で伝える。番組は「中田英寿・特別授業『日本が世界に誇れる伝統文化』スペシャル」と題し、2004年(平16)10月30日の放送開始以来、初となる課外授業スタイルとなる。

今回の特別授業の発端となったのは、中田氏がワールドカップ・ドイツ大会後の2006年(平18)7月3日に現役引退後、世界を旅する中で痛感した「僕は日本の文化を何も知らない」という、悔しい思いだ。中田氏は09年から日本国内1600カ所以上を巡り、さまざまな日本の伝統文化を体験してきた。「10年くらい日本全国を回ってきて、本当に素晴らしい生産者、素晴らしい工芸家、いろんな方を見てきて、こんな楽しいものがあるということを皆に知ってもらいたいと思った」と、しみじみと語った。

「中田英寿・特別授業『日本が世界に誇れる伝統文化』スペシャル」は、中田氏がこれまで培ってきた日本の伝統文化に関する知識と熱い思いがシェアできる『特別授業』となった。まず、中田氏は日本3大銘茶のひとつ、狭山茶の生産者・比留間嘉章氏の元を訪ね、手もみ作業を体験した。体験後、手もみ茶を味わい「すっときれいに抜けていく、うま味」と匠(たくみ)の技に驚嘆した。

石川県の九谷焼では、絵付師・見附正康氏を訪ねて絵付け体験を、秋田県では新政酒造を訪ね、最近では珍しい木おけでの酒造りを見学した。さらに鹿児島県の枕崎では、かつお節づくり70年の老舗・西村浅盛商店から、最高級かつお節が出来上がるまでのすべての工程を中継で紹介。中田氏は、大切な工程のひとつ「骨抜き」を体験する。

さまざまな伝統文化の心のこもった作業と、その裏側を紹介した中田氏の課外授業に、スタジオでも畏敬と驚きの声がしきりに上がっていた。