アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーと同賞の放映権を持つABCテレビが15日、2021年2月28日に開催を予定していた第93回アカデミー賞授賞式を4月25日に延期することを発表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けてのもので、同賞が延期されるのは今回で4度目。過去3回は自然災害や公民運動家マーティン・ルーサー・キング・ジュニア暗殺、ロナルド・レーガン元大統領の暗殺未遂事件を受けて数日間延期されたのみで、8週間も長期に渡って延期されるのは93年の歴史で史上初めてとなる。

米国では3月中旬から多くの都市で外出自粛命令が出され、映画館が閉鎖され、新作映画の撮影も全てストップしている。今回の延期を受けて、選考対象となる作品の上映期間も例年の12月31日から翌年2月28日まで延長することも明らかにされた。映画界では今年はカンヌ国際映画祭が開催を断念しているが、ベネチア国際映画祭は予定通り9月に実施する方向で進められている。米国では秋から冬にかけて第2波の到来が懸念されることから、アカデミー賞は早々に開催予定の延期を決めたものとみられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)