歌手高橋真梨子(71)が「今年で最後」と位置づけてきた全国ツアーを来年に延期することが24日、分かった。

新型コロナウイルスの影響で、6~8月の12公演については既に延期を発表していたが、9月以降の感染状況が見極められないために決断した。全33公演中、4公演は会場の都合で中止にする。

高橋は「ラストツアーを延期しなければならないのは本当につらいですが、皆さんが安心してコンサートを楽しんでいただける日がくることを願っています。笑顔で皆さんにお会いしたい」と、無念の思いを吐露し、来年のファンとの再会に期待を込めた。

全国ツアーは「ステージで倒れたら本望」と公言する高橋のライフワーク。79年の「ひとりあるき」から昨年「Mari Covers」まで41年連続で実施。2000人以上収容の大規模ホールで年間25公演以上を41年も継続している女性ソロ歌手は高橋のみ。昨年までに2763公演を重ねてきた前人未到の金字塔だが、体力的に負担の大きなツアーは今年で終止符を打つつもりだった。

仕切り直しとなるラストツアーは来年5月以降に実施する予定だ。

 

▽高橋の夫で音楽プロデューサーも務めるヘンリー広瀬氏(76) ちまたでは『新しい日常』に戸惑っている人たちがたくさんいることと思います。僕たちもラストツアーに向け気持ちが高揚して『さあ!』という矢先なので、とてもつらいけど、来年に向け楽しみはとっておくことにします。ツアーは延期ですが、予定通り発売されるアルバムに収録されている新曲たちは、本人の今の思いをたっぷり詰め込んだ作品になってますので、まずはそれをしっかり聴いて欲しいです。

 

○…高橋がソロに転向する前に所属したペドロ&カプリシャス時代の曲も含むオールタイム・ベストアルバム「高橋千秋楽」は8月26日に発売される。「五番街のマリーへ」「桃色吐息」「はがゆい唇」などのヒット曲や、書き下ろしの新曲「愛する人へのメッセージ」「やさしい夢」の2作品を収録。新曲の歌詞は高橋が手がけ、恋愛観や人生観を込めている。CD4枚で67曲入り。

 

◆高橋真梨子(たかはし・まりこ)本名・広瀬まり子。1949年(昭24)3月6日、広島県生まれ。プロのジャズ奏者だった父の影響で14歳からジャズを学んだ。72年にペドロ&カプリシャスの2代目ボーカルとなり、「ジョニィへの伝言」「五番街のマリーへ」などがヒット。78年にソロ転向。代表曲に「桃色吐息」「はがゆい唇」「for you…」など。NHK紅白歌合戦に5回出場。血液型A。

 

<「高橋真梨子はすごい」メモ>

▼最年長記録 15年に発売したアルバム「ClaChic」が、オリコンの女性歌手のトップ10入り最年長記録(66歳3カ月)。

▼紅白歌合戦 16年にソロとして4回目の出場。当時の67歳9カ月は紅組の最年長記録だった。翌年も出場して自己記録を更新した(68歳9カ月)。

▼日本人唯一 「音楽の殿堂」と呼ばれる米カーネギーの大ホールで、日本人で唯一3回(93、08、16年)の公演を実施。複数回を行っているのは高橋のみ。

▼主題歌25曲 300曲を超えるオリジナル作品を持ち、150以上の楽曲で作詞。25曲がドラマや映画の主題歌。