佐藤浩市(59)が4日、東京・丸の内TOEIで行われた主演映画「サイレント・トーキョー」(波多野貴文監督)の初日舞台あいさつで「お恥ずかしいですが…60年生きていて、デートで映画館しか行ったことがない」と吐露し、赤面した。

佐藤はクリスマス・イブの東京・渋谷スクランブル交差点などで突如発生した未曽有の連続爆破テロ事件の容疑者・朝比奈仁を演じた。映画にちなみ、都内の名所を問う質問が出た。佐藤は「東京生まれだけど全然、分からないんだよね。ディズニーランドも、子供で(子供からリクエストされて)行くくらい。何も盛り上がらなくてごめんなさい。映画館だけは詳しいですよ。有楽座、日比谷映画があったんですよ…こんな話、何も面白くないだろ」と言い、苦笑いした。

佐藤は「サイレント・トーキョー」が役者人生40周年の締めを飾る作品であること、劇中で容疑者を演じたことを受けて、共演した石田ゆり子(51)、西島秀俊(49)、中村倫也(33)、広瀬アリス(25)、井之脇海(25)、勝地涼(34)から“公開事情聴取”された。

勝地から「ぶつかった壁と乗り越え方は?」と聞かれると「壁って、その時の自分は分からないんだよね。振り返って、あっ壁だったんだと。壁だった時期に、ちゃんと作品、人に出会ってるんだよね。そういうことで救われたというのがある」と語った。

井ノ脇からは「もし役者を、やっていなかったら?」と聞かれた。佐藤は「正直、芝居の経験もなく20歳ちょい前で(俳優を)始め、10年くらい、いつでも辞めてやる、ダメだったら良いよと思った。10年くらいたった頃から、役者しか出来ないんだと思ったら怖くなった。俺、何も出来ない人間なんだと気付いた怖さ。役者しか生業がないと。気付いたのが30くらい」と語った。

「サイレント・トーキョー」は、「アンフェア」シリーズなどで知られる作家・秦建日子氏の小説「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」を「SP」シリーズで知られる波多野貴文監督が実写映画化。クリスマス・イブの東京で突如発生した未曽有の連続爆破テロ事件と、その事件に巻き込まれた人々を描いた群像劇。約1年前に行われた撮影では、渋谷の街を実際に使った撮影はかなわず、栃木県足利市に渋谷駅周辺を再現した巨大なオープンセットを建造。1200人前後のエキストラが連日、足利に集い、爆破テロのシーンの撮影を行った。