9月に新型コロナウイルスに感染して入院治療中のホワイトハウスのセキュリティー担当幹部が、回復に向かっているものの左足の親指と右足の下腿を切断していたことが明らかになった。

ホワイトハウスではこれまでトランプ大統領を含む数十人の感染が確認されているが、最も重症化したクレーデ・ベイリー氏の友人の一人が、リハビリ治療のための費用を募金サイト「Go Fund Me(ゴーファンドミー)」で募っていることが明らかになった。同氏は3カ月にわたる闘病の末に今月初めに集中治療室(ICU)を出ることができたが、足を切断したことで今後も長期にわたるリハビリが必要だと説明している。

ホワイトハウスでは9月26日に開催されたトランプ大統領によるエイミー・ユニー・バレット氏の連邦最高裁判事候補指名式典の出席者が相次いで新型コロナに感染するクラスターが発生しているが、ブルームバーグによると同氏はそれ以前に感染が確認されていたという。ベイリー氏の家族がトランプ大統領に感染の事実や病状を公表しないよう求めていたことから、ホワイトハウスはこれまで同氏の感染については公にしていなかった。

友人によるとリハビリ施設に転院し、今後数カ月で義足を装着する予定だが、歩行器や車いすなど医療器具の購入や障害に対応するため家を改築する必要もあり、多額な費用が必要だという。「新型コロナに打ち勝ったが、大きな代償を払った。彼と家族を助けるために寄付をお願いしたい」とコメントしており、14日時点で3万4000ドルが集まっている。トランプ大統領が寄付に協力したかどうかは不明。

米国ではブロードウェーの舞台で活躍した俳優ニック・コルデロさんも新型コロナウイルス感染症で約3カ月間の闘病中に合併症のために右脚を切断している。コルデロさんは一度は回復に向かったものの肺の損傷が激しく、7月に亡くなった。(ロサンゼルス=千歳香奈子)