女優の仁村紗和(26)が大阪市北区の日刊スポーツ新聞社を訪れ、出演中のNHK連続テレビ小説「おちょやん」をPRした。主役の千代が奉公していた芝居茶屋「岡安」で働くお茶子の節子役を演じており、ドラマの魅力や役作りのエピソードを語った。

数々のCMやドラマに出演してきた仁村だが、朝ドラは初出演。最初は撮影現場に驚いたという。「カメラが5台もあるし、セットもすごい。劇中で出てくるごはんも時代に合わせて変わっていたり、本当に細かく考えられてますね」。

舞台は大正から昭和初期の時代。現代劇とは違う役作りの大変さを感じたという。「着物で仕事する人にならないといけないので、物を1つ置くのも美しく見えるように所作の先生から教えられました。(演技の)見え方は画面で確認しないと分からないし、難しいですね」。

大阪・枚方市の出身で関西弁は慣れているが、これも一筋縄ではいかなかった。「大正時代の大阪言葉はイントネーションなんかが全然違うんです。けっこう苦戦しました。例えば『気楽やで』というセリフ1つ言うのも、イントネーションが今の言葉とは違うんです」。

おちょやんは放送開始が11月30日になるなど、コロナ禍の影響を受けた。撮影に入るまでの稽古期間が長くなり、もやもやを抱える時期も続いた。ただ、その分「結束するのにいい期間でした」と振り返る。撮影現場の雰囲気は最高といい「杉咲花ちゃんはいつもニコニコしていてパワーをもらってます。篠原涼子さんや名倉潤さんも、いてくれるだけで楽しくて、本当に和やかなんです」。お茶子の目線から「“岡安”はほんまにいい職場」と笑う。

「この半年、所作稽古をできたのは、時代物をやるときに強みになると思います。いろんな作品に出たいけど、時代物にも出られるといいですね」。女優としての幅を広げ、次のステップへと目を向けた。