坂ノ上茜(25)は今年の注目女優だ。フジテレビ系ドラマ「監察医 朝顔」、TBS系情報番組「王様のブランチ」などに出演中で、活躍の場を広げている。

12日にはファースト写真集「あかねいろ」(光文社)を発売する。全カット、生まれ故郷の熊本で撮影し「思い出の場所をロケ地として選ばせていただきました。実家や、通っていた高校、お休みの日によく食べに行っていたお好み焼き屋さんなど、きっと熊本県民だったら『ああ、ここね』と、わかってもらえるような場所もあります。本当に私のルーツを知ってもらいたいという思いで撮影しました」と力を込めた。

昨年9月ごろに、4日間で撮影。空港到着時には、雷雨だったというが、撮影時には快晴になり、天候も味方した。外出自粛期間中に、ずっとやりたかったというファスティング(断食)や、筋トレに励み、“最初で最後の水着”にも挑戦した。初の水着撮影となったが「撮影の時は全然、緊張はなかったんですけど、フィッティングの時に、水着で突っ立って、大人たちが『うーん』って、見ている光景が一番緊張しました」と笑い飛ばした。

写真集のタイトルは名前の由来にもなった「あかねいろ」。タイトルについて「夕焼けをバックにした写真を撮らせてもらいたいというのは、事前に話していました。自分でも、意識していた部分でもあったので、タイトル案の1つめに『あかねいろ』とあった時、『私もこれでいいと思います』って、満場一致というか、みんな『ああ、これだよね』という感じで決まりました」。

お気に入りの写真には、夕焼けが背後にある、思いが詰まったカットを挙げた。「メークもほとんどしないで、夕焼けの色に合わせたお洋服にしていただいて、溶け込むような感じなので」と、照れ笑いを浮かべ、理由を述べた。

そして「夕焼けは、そんなに何時間もあるわけではないので、このカットを撮る日は、これをちゃんと撮れるようにスケジュールを組んでいて、時間も短い中で狙って撮ったので、本当にうれしかったです」と話した後、「この後、大雨降りました。セーフでした」と、笑った。

芸能界に憧れたきっかけは、05年のフジテレビ系ドラマ「危険なアネキ」の伊東美咲(43)の演技に魅了されたことだった。母の他薦で、現在の所属芸能事務所アミューズ全国オーディションを受け、俳優・ルックス部門賞を受賞した。「ドラマが大好きで、本当にドラマに影響されるような子でした。いろんな刺激をくれる女優さんのお仕事ってすごいなあと、小学4年生くらいの時に思い始め、私もそういう存在になりたいと思い、オーディションを受けました」と、明かした。

「危険な-」は、月9枠で放送された。そのため、坂ノ上にとって同枠は「夢や、あこがれの枠」だった。そこに、現在は自身が出演しているが「実際、現場に行くと『月9です!』っていう感じではないです(笑い)。(19年の)シーズン1の時も、すごいすてきだなと思いましたが、より一層いい方々に囲まれて、お仕事ができているなと思います」と、感慨深い表情を浮かべた。

女優業の傍ら、放送中のBS-TBS「町中華で飲ろうぜ」では、かわいらしい笑顔からは想像できない、豪快な飲みっぷりを披露し、人気を集めている。お酒に目覚めたのは、21歳の時だったという。「(撮影で)朝の5時から、ノンアルコールビールを飲むシーンがありました。ビールってちょっと苦くて、飲めないなと思っていたんですけど、撮影中にジョッキ3杯くらい飲んだので、苦味にも慣れて、実際に生ビールを飲んだ時に、『おいしいじゃん!』って(笑い)。そこでビール愛に目覚めました」と、意外なきっかけを話した。

4年目となる「王様の-」は、「ロケでいろんなものに触れ合う機会が増え、今までプライベートだったら挑戦することがなかったことに出会えて、『これって、やってみたら意外と面白い』。苦手だと思っていた食べ物も『あっ、意外と食べられるじゃん』など、自分の興味範囲が広がる機会になり、すごくいいきっかけだなと思っています」と、充実ぶりを話した。

あこがれの存在は、女優木村文乃(33)だ。「20代後半で主演をやられる前に、数々の名舞台にも出演されていて、その経験で、今があるのではと感じています。私も童顔ってよく言われるので、年を重ねた時に、『ベビーフェースだけど、凜(りん)としているよね』と、言っていただけるような女優でありたいです。すごく憧れです」。

「昔のインタビュー記事とかをよく読んだりしています。私の年齢のころは、どういう作品をやっていたのかなど、読んでいます」と研究熱心な一面も。

今後の目標には、木村も経験を積んだ舞台への出演を挙げた。「1カ月前後稽古して、始まったら終わりまでやり続けなきゃいけないのが、どんな感じなのかなとずっと気になっているので、経験してみたいです」と、目を輝かせた。

その先の夢は「女性としては、自立して凜としているけど、チャーミングな女性でありたいです。女優としては、息の長い女優さんでいられたらなあと思います」と語った。

飾ることなく、自然体。すてきな笑顔の背後には、“あかねいろ”のような優しい色がピッタリだと感じた。【佐藤勝亮】