テレビ東京の大江麻理子キャスター(42)が5日、メインキャスターを務める同局系報道番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」(月~金曜午後11時))に出演し、4日に問題となった東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視と批判されている発言に関して、持論を展開した。

大江キャスターは森会長の発言を報じるニュースを伝えた後に、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかるというのは、女性の話が長いとかどうとかというよりも、本当に個人の問題だと思うんです。それを性の違いから結論を導き出しているところに問題があるわけです」と口を開いた。

番組で、森会長が首相在任時代から失言とされる発言を繰り返したことにも触れると「多くの方が、またか、とスルーしそうになるんですけど、社会全体が『あーあ』と思ってスルーしたり傍観してきた結果が、今につながっている感じもあるんですよね。傍観しているだけだと、容認するのと同じ結果を生むということが今回分かったと思うんです。重要な役職に就いている人がエラーを起こした場合というのは、その組織がちゃんと処分を下す。それができていないのが日本なんだと、今回分かった気がします」と分析した。

 

大江キャスターはさらに「性別だけではなくて国籍もそうですし、人種も職業も学歴もカテゴリーでまとめて語ってしまうと決めつけになってしまいます。そうではなくて…差別や偏見を生み出すことにつながりかねないので、そういうことは無意味だからやめよう、というのが今の社会だと思うんですよね。私は、普段自分の意見をあまり言わないのですが、今回は言わなければならないなと感じて…ちょっと長引いてしまってごめんなさい。お伝えさせていただきました」。恒例となったマスク姿で、表情全体はうかがえなかったが、強い視線と口調で訴えた。