ロックバンド「SEKAI NO OWARI」の楽曲が初めてドラマになることが9日、分かった。

インターネットテレビ局「ABEMA」が、音楽を独自の視点で解釈し、そこから紡がれる物語をショートドラマ化する新企画「Music Story(ミュージックストーリー)」シリーズを2月から配信することが決定。その第1弾として、セカオワのヒット曲「YOKOHAMA blues」を、約7分間のショートドラマにして10日午後7時から配信する。主演は、ABEMAの「オオカミくんには騙されない」に出演し、人気を集めた4人組バンド「インナージャーニー」のドラムKaito(19)と、若手女優の注目株・古川琴音(24)が務める。

Kaitoは、夢をかなえて順風満帆な生活を送るものの、古川演じる女性に最後まで本心を伝えることが出来ず、女性の結婚式に参列するアーティストを演じる。「幼い頃に聴いていた『SEKAI NO OWARI』の作品に、自分自身が役者として参加しているということに、最初は少し違和感を感じましたが、音楽とドラマの融合によって引き出される世界に引き込まれていきました」と出演した感想を語った。その上で「楽曲の魅力がすごいので、それだけで完成された作品ではあるのですが、客観的に見ていて、その世界観を分かりやすく可視化できるようになった、そんな印象を受けました」とも語った。

Kaitoが演じた男性目線バージョンはABEMAビデオで、古川が演じた演じた女性目線バージョンは、SEKAI NO OWARI公式YouTubeチャンネルで配信される。Kaitoは「ほとんどセリフがないドラマなので、『言葉』の部分をどう引き出すか考えた時に一番意識したのは、歌詞を自分に投影させることでした。『あの頃の僕らはもういない、自由だった僕はもういない』の詩は、今の自分に近しい部分だったので、その共感をうまく利用して『YOKOHAMA blues』の世界に飛び込めるように努力しました。音楽があったからこその工夫だったと思います」と振り返った。

バンドをやっているからこそ「バンド、音楽をやっている自分だからできることを模索しながら、作中の男の心情を映し出せるよう意識しました」という。その上で「例えば、式中で弾き語りをするシーンなどは、コード進行、詞、メロディー、リズムなどを再現しながら男の切なくも強い気持ちを表現しなくてはならなく、なかなかに苦戦を強いられましたが、新しいチャレンジでとても楽しかったです。演技のため、当て振りで音が使われることはないのだけれど、バンドマンとしてのこだわりが出た部分だったと思います」と語った。

「YOKOHAMA blues」は、デビュー日でもある10日発売のベスト盤「SEKAI NO OWARI2010-2019」にも収録されている。Kaitoは「まずは『YOKOHAMA blues』をたくさん聞き込んだ上でこのドラマを見ていただけると、曲の世界観がより鮮明になって皆さまの心に届くのではないかなと思います」と楽曲を聞き込むことを勧めた。その上で「自分自身最大のリスペクトを持って作品に参加させていただきました。至らない部分もあるかもしれませんが、この『Music Story』を見て、聴いて、少しでも多くの人の気持ちを動かせる作品になっていれば幸いです」と語った。