NHK大河ドラマ「青天を衝け」の第1回放送から一夜明けた15日、主人公の渋沢栄一の生誕地となった埼玉県深谷市では「渋沢栄一 青天を衝け 深谷大河ドラマ館」の内覧会が行われた。会場はJR深谷駅から徒歩約15分、「深谷生涯学習センター・深谷公民館」の1階部分の約650平方メートル。ドラマで使う生家のセットや登場人物の衣装、メーキングビデオの上映、主演吉沢亮ら主な出演者のサイン色紙の展示などがある。

深谷市では、大河ドラマに合わせた観光振興経費とてして6億円を計上。隣接する売り場では、埼玉県ナンバーワンの生産を誇る深谷ねぎなどの農産品、同市内に本社のある赤城乳業の氷菓「ガリガリ君」グッズ、同市のイメージキャラクター「ふっかちゃん」をあしらったグッズ、ドラマの中でも登場した藍染めのTシャツなどの物販も行う。

また、開業期間の2月16日から来年1月10日(予定)までは周遊バスも平日は1日7便、土・日・祝日同13便運行させる。同館から渋沢栄一記念館、旧渋沢邸中の家などのゆかりの地を巡り、深谷駅に行く。

「大河ドラマをきっかけに、深谷市に足を運んでもらえるようにしたい」と同市では話す。しかも、24年度上半期には渋沢栄一が1万円札の新札の顔にもなる。「迎える側として観光の課題も洗い出して、3年後に再度足を運んでもらえれば」と期待する。

埼玉県内では、漫画&アニメ「クレヨンしんちゃん」の舞台となった春日部市、アニメ「らきすた」の聖地「鷲宮神社」のある久喜市、NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」の川越市、TBSドラマ「陸王」の行田市など、注目された例が多い。深谷市もこれに続きたい。

内覧会に訪れた小島進市長(60)は、「大河ドラマは深谷市にとって大きなニュース。一過性にならないようにしたい。大河のスタートとともに、新たな深谷の観光振興が始まる」と話した。

同市では期間中の来場者を約50万人と見込んでいる。