女優長谷川奈央(28)が映画「美しき誘惑-現代の『画皮』-」(赤羽博監督、5月14日公開)で映画に初主演する。

画皮というのは、美しい人間の皮を被った中国の妖怪。ダブル主演の相手役は市原綾真(24)。長谷川演じる山本舞子は、昼は銀行で副頭取の秘書を務め、夜は銀座の高級クラブのホステス。元首相の父親を持つ、将来の総理大臣候補・塩村太郎(市原)が銀座の店の客として来て出会い、その美しさで骨抜きにする。その正体は九尾のきつねに取りつかれた妖魔で、人のエネルギーを吸って殺し、見た目の若さを保ち100年以上生きている。

長谷川は「昼も夜も男捜しをしている役です。昼は取引先の社長の息子さんを狙ったりしています。昼も夜も、どこでもハンティングの肉食の女です」と笑う。

男をたぶらかす恐ろしい美女役に「最初は自分とは全然違うと思っていました。でも結構、自分の中にもそういうところがありました(笑い)。女優という仕事をしているので、見た目のこだわりがかなり強かった。例えば、お化粧というのは、女性にとって最強の武器になるんですが、それで“化けた自分”を自分自身だと評価してしまったりしていました」と振り返る。

「自分の中で持っているコンプレックスをお化粧でごまかしたりしてるんですよ(笑い)。目を大きくしたり。アイメークだとか、ほっぺがふっくらしているのに陰を作ったり。第一印象というものは大事なものではあるんですけど、そこが本当ではないよと。本当の良さ、本当の輝きは表面だけではないということだと思います」と言う。

28歳。167センチのスレンダーなスタイルに、清楚(せいそ)な美貌。美しさで男を惑わせる役に「最初は、私でいいんですか、と。台本を読んでどうしようかと思いました。台本に『才色兼備で美しい』と書いてあったから、プレッシャーは大きかったです。役作りは見た目から、入りました。普段からきれいな女の人をずっと見たりとか、洋服もワンピースとかスカート、華やかな柄のものをずっと着るようにしました。お化粧とかも、いつも以上に気をつけるように。姿勢とか、しぐさとかもいろんな人を研究して、普段の生活から変えていきました」。

女優としての大きな挑戦に、燃えている。(続く)

◆長谷川奈央(はせがわ・なお)1992年(平4)7月4日、愛知県生まれ。11年にスカウトされ、12年に映画「イヤリング」で女優デビュー。同年「笑劇SUMMER」で舞台デビュー。13年にNHK「美人の多い料理店」でドラマ初出演。17年舞台「MOTHER マザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~」。18年NHK「ぬけまいる~女三人伊勢参り」。19年映画「世界から希望が消えたなら。」。20年映画「心霊喫茶『エクストラ』の秘密-The Real Exorcist-」、「夜明けを信じて」。「美しき誘惑」ではイメージソング「Selfish Love」の歌唱も担当している。趣味はスーパーカー、自動車、バイク(中型自動2輪免許取得)。特技はヒップホップダンス、殺陣、手話。167センチ。血液型A。

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