歌手で俳優の中村雅俊(70)が、デビュー48年目で初めてフルオーケストラと共演する全国4都市ツアー「ビルボードクラシックス 中村雅俊 Symphonic Live 2021」に挑む。8月28日の兵庫・西宮からスタートし、名古屋、熊本、東京で「ふれあい」「俺たちの旅」「恋人も濡れる街角」などのヒット曲を壮大な演奏をバックに熱唱する。新たな挑戦への意気込み、今までの足跡について聞いてみた。

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74年4月に日本テレビ系連続ドラマ「われら青春!」の主役に抜てき。同年7月には挿入歌の「ふれあい」で歌手としてもデビュー。秋にはコンサートツアーが始まった。ヒットチャートの1位に輝いた「ふれあい」は120万枚超えのミリオンヒットになった。

「『ふれあい』が7月1日発売で、すぐにツアーが始まったんですよ。11月の末から翌年までずっとコンサート。俺としては俳優としてもまだ若葉マークだったのに、コンサートツアーも重なり、ただただ一生懸命やっていました」

75年10月に始まった日本テレビ系連続ドラマ「俺たちの旅」の同名の主題歌「俺たちの旅」は87万枚のヒット。81年11月に始まったTBSの主演連続ドラマ「われら動物家族」の主題歌「心の色」は翌年になって大ブレークした。

「とにかく『ふれあい』がオリコン1位で、『俺たちの旅』も2位になって、そこから1位になる曲が何年かなくて。久しぶりに1位になったのが『心の色』。この曲のヒットは、すごくうれしかったですね」

「心の色」は、最初は「われら動物家族」の挿入歌だったが、第8話から主題歌になった。

「ドラマ自体、視聴率は良かったんです。しばらくして挿入歌の『心の色』を主題歌にしたら、徐々に売れて1位になって。今はヒット曲として歌ってますけど、結構、難産でした。あの頃は、レコード会社の宣伝マンが本当に頑張って、ヒットするかしないかに懸けていた時代ですからね。だから余計に、売れ出したときの感激ってすごくありました。ドラマの主題歌や挿入歌というのは、毎週プロモーションしているようなものでしたし、ましてや本人がドラマに主役として出ていますからね。推しとしては強かったと思います」

ヒットチャートの1位を獲得した「心の色」は、70万枚近くを売り上げて、発売翌年の82年上半期最大のヒット曲となった。そして中村は、同年暮れのNHK「紅白歌合戦」に初出場する。(続く)

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◆中村雅俊(なかむら・まさとし)1951年(昭26)2月1日、宮城県女川町生まれ。73年慶大在学中に文学座付属演劇研究所入所。74年4月の日テレの連ドラ「われら青春!」で主演に抜てきされデビュー。同7月に挿入歌「ふれあい」で歌手デビュー、120万枚超の大ヒット。75年同局「俺たちの勲章」「俺たちの旅」、映画「ふれあい」。歌手としてシングル55枚、アルバム41枚をリリース。182センチ。血液型O

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◆「billboard classics 中村雅俊 Symphonic Live 2021~Before DAWN~」◆

▼8月28日午後5時 西宮・兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール(大阪交響楽団)

▼9月3日午後6時30分 名古屋・愛知県芸術劇場コンサートホール(大阪交響楽団)

▼9月26日午後5時 熊本・熊本城ホールメインホール(九州交響楽団)

▼9月30日午後6時30分 東京・Bunkamuraオーチャードホール(新日本フィルハーモニー交響楽団)。いずれも指揮は円光寺雅彦、サポートミュージシャンは大塚修司。