NHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)で、杉浦愛蔵(譲)を演じる俳優志尊淳(26)がオンライン取材会を行った。志尊は今月4日放送の第21回「篤太夫、遠き道へ」から登場。大河初出演ながら、第22回から始まったパリ編で存在感を発揮している。

演じる外国奉行支配の杉浦は、パリ万博に出向いた徳川昭武(板垣李光人)に随行し、ともにパリへと旅立った主人公・渋沢栄一(吉沢亮)と仲を深める。やがて家族ぐるみでの付き合うようになり、公私にわたり関係を築くことになる。

時代物への出演や、オファーから撮影開始までの準備期間の短さなど心配もあったが、志尊は「初めてのことができるワクワクが大きかったです」と大河初出演の心境を振り返る。ドラマでは物腰柔らかな杉浦を表現し「武士の時代に生まれた人だけど、武士武士していない。いつも戦っているところとは違うフィールドで、渋沢さんを支えられるような役柄にしたいなと」。明治になると郵便制度の創設に貢献したが、活躍をあまり知られない人物でもあり「杉浦さんの功績を、役を通して伝えていきたい。少しでも杉浦愛蔵という人が広まって、もっともっと語り継がれる人になったらという思いで役に向き合っていきたい」と話した。

時代劇ならではの所作指導にも衝撃を受けたという。志尊は「こんなに体を意識して歩かなければいけないんだというところから、言葉も通じなければアドリブも出来ない。役者として壁にぶち当たる部分はすごくあった」。悩みながらの役作りとなったが、自身は「どの作品でも手応えを感じるタイプの人間ではない」といい、「慢心をしたくない思いを込めて、まだまだだなという思いを忘れずにやっていこうという気持ちが強いのかもしれないです」と語った。

吉沢と本格的に演技を交わすのは今作が初めて。吉沢については「大河ドラマを僕の1つ上の年齢でやり遂げるのは、尊敬のまなざし。横で見ていてもせりふがとんでもない量あるし、言い慣れないせりふを常に練習されていて、すごいなと。どこかで息抜きして欲しいなと個人的には思います」。渋沢と杉浦はのちに親友関係となるが「僕が普段吉沢くんにリスペクトを感じるところや、魅力だと思う空気感を芝居でうまくリンクさせられたら」と意気込んでいる。