フリーアナウンサー古舘伊知郎(66)が、16日に単行本「MC論」(ワニブックス)を出版する。
テレビの司会として1960年代から活躍した故大橋巨泉氏をはじめ、タモリ、たけし、さんまの「ビッグ3」、とんねるず、ダウンタウン、中居正広、みのもんた、関口宏、小倉智昭、黒柳徹子、安住紳一郎、羽鳥慎一、村上信五などを取り上げ、その手法、影響力などを分析した“交友録”でもある。
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基本的に司会だの進行だのって、分業制になってる。TBS「サンデー・ジャポン」(日曜午前9時54分)と、裏のフジテレビ「ワイドナショー」(日曜午前10時)は、メインのコメントを言う人が番組の中心。逆転するわけですね。司会だの進行だのと反転して、メインコメンテーターが番組の中心。
「ワイドナショー」は、紛れもなく松本人志の番組じゃないですか。で、松本人志がメインコメンテーターとして、配置は別として、ディスプレーは別として、画面中央にいるわけじゃないですか。で、東野幸治っていう名司会がいるわけじゃないですか。コメンテーターを転がして回している横に、女子アナとして進行がいる。
だから、真裏で面白いしね。「サンジャポ」は見え方が全然違うし、演出方法も全く違うけども、全く同じじゃないですか。メインコメンテーターの太田光がいて、それで多くの並み居るコメンテーターをうまく回していく、素晴らしい司会役の田中裕二がいる。そして田中の横に純然たる、100%の進行をやる女子アナがいるっていうね。女性アナウンサーがいる構図がそっくりでね。
だから、そういった分業制を見せていって、あとはボーダーレスになっていって。たとえば(明石家)さんまちゃんの日本テレビ「踊る!さんま御殿!!」とか。ああいうものは類稀(たぐいまれ)なる1人のタレントのトークショーで、1人だけど“ガヤ”がいっぱいいるってことじゃないですか。だから、どんどん変わってきて、MCっていうことで(ビート)たけしさんであっても、タモリさんであっても、さんまさんであっても、中堅若手の人でも中心的な存在でいる人は、どんどんMCをしろよと。
そういう人たちは、別に司会に進行を含む時代から、そうじゃなくなってついに分業制に至るというこの大いなる時間軸の流れの中で、もうそのどれを入れたり、外したりしてもいいっていう形でね、ご本尊として。だからあの原宿の表参道ですよ、イメージは。ほとんど毎回、通る度に笑っちゃうんだけどね。フェンディーとかね。シャネルとかもココ・シャネルはいないでしょ、死んじゃって。ディオールもいないんですから。イブ・サンローランも、とっくに亡くなっているじゃないですか。
みんな戒名が出てるっていう。よく分からないんですよ。戒名って、もともと仏教だったら、生きてる時に戒める名前として登場してるんですけど。死んでから付けるものに途中から変わったんですけど、みんな死んでいるでしょう。でもそれはメルクマールっていうか、目印っていうかブランドの極みでいいんだと。生きてる、死んでるとかは。実際その人がデザインしてなくたって、いいんだよ。もう、ずーっと名前があるんで安心できるっていうか、思考停止させて貰えるって言うことじゃないですか。
だから例えば、今のテレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」で、たけしさんが何もしゃべらなくてもいいんですよね。原宿、表参道の看板としてあれば。そこに座っててくれれば。もう安心するわけじゃないですか。だから、そういうMCも、いっぱいいるわけでしょ。表参道化されて、立派に商売になるし。あとは周りの人たちがはやし立てたり、しゃべったり、いろんなことすればいい。もしかして一言も毒吐かなくてもいいという。(続く)
◆古舘伊知郎(ふるたち・いちろう)1954年(昭29)12月7日、東京都生まれ。立大卒業後の77年にテレビ朝日入社。同8月からプロレス中継を担当。84年6月退社、フリーとなり「古舘プロジェクト」設立。85~90年フジテレビ系「夜のヒットスタジオDELUXE、SUPER」司会。89~94年フジテレビ系「F1グランプリ実況中継」。94~96年NHK「紅白歌合戦」司会。94~05年日本テレビ系「おしゃれカンケイ」司会。04~16年テレビ朝日系「報道ステーション」キャスター。現在、NHK「日本人のおなまえ」(木曜午後7時57分)司会など。YouTube「古舘Ch」。14日の東京・渋谷区文化総合センター大和田さくらホールから初の全国ツアー「古舘伊知郎トーキングブルース2021」がスタート。血液型AB。



