佐藤二朗(52)が23日、都内で行われた映画「さがす」(片山慎三監督、22年1月21日公開)完成披露試写会で、主演にもかかわらず会のスタート時に姿を現さなかった。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と告げた翌朝、姿を消した父・原田智を演じることにちなみ、一般客に紛れて客席に潜んでいることが判明。登壇者と観客全員が探す中、佐藤は清水尋也(22)が「遅刻ですかね」と口にしたのに反応し「僕の、前の席の人たちは大体気づいていますよ。この企画、スベってます?」などと名乗り出て登壇した。

「さがす」は、自主製作した19年の初長編映画「岬の兄妹」が話題を呼んだ、片山慎三監督(40)の商業映画デビュー作で第26回釜山映画祭ニューカレンツ(コンペティション)部門へ出品された。突然、失踪した父智を、伊東蒼(16)演じる娘の楓が懸命に探す物語。清水は連続殺人犯の山内照巳を、山内と関わりをもつ女性ムクドリを森田望智(25)が演じた。

片山監督と約20年前から面識があったという佐藤は「ウチの息子が立派に…という親の気分です」と泣きマネをしながら喜んだ。その上で「片山監督とは感性などの部分で手を組める相手だと思った。キャスティングもいいし、僕に黙って相手に演出をつけて撮影したりする。そういった彼の演出手法にすべて乗れた。これからの活躍が楽しみ」と期待した。そして「重い部分もある映画だけれど、しっかりエンターテインメントとして楽しめる作品。色々な方に刺さる映画だろうし、自腹で作った『岬の兄妹』が評価されて『さがす』で商業デビュー出来たのは日本映画界としていい話。こういうことがもっと起きればいい」と熱く語った。

片山監督も「心血を注いで作った映画。より多くの方々に広めてほしい」と訴えた。