奈緒(27)風間俊介(38)が3日、東京・紀伊国屋ホールで、共演する舞台「恭(うやうや)しき娼婦」(4~19日まで)の取材会に出席した。

哲学者サルトルが劇作家として発表した戯曲。差別が広がるアメリカ南部を舞台に、人間の権利や尊厳、自由について描く。

奈緒は娼婦のリズィー、風間は権力者の息子フレッドを演じる。18年の日本テレビ系ドラマ「サバイバル・ウエディング」で共演したが、本格的に演技を交わすのは初めてとなった。風間とは待望の共演となり「濃厚な時間を過ごさせていただいて、信頼しかありません。感情をぶつけるシーンも、思い切り胸を借りています」と奈緒。役柄のために髪を切ったといい「学生ぶりに短くなりました」と笑みを浮かべた。

風間は、娼婦役で新境地を見せる奈緒の芝居に「今まで持っていた奈緒ちゃんの像が全くない。役として対峙(たいじ)するのに背筋が伸びる思いです」。また「人間は一色ではなく、悪い顔、ピュアな顔が混在していて当たり前。その当たり前に向き合う時間をいただいた」と、作品との出会いにも感謝した。

物語の内容にちなみ、「罪の意識を感じたこと」についてもトーク。飛行機好きの風間は「沖縄に着いて、空港から出ずにそのまま帰ったことがある。沖縄の人から『それはどうなんだ』と言われました」と苦笑した。奈緒は仕事中のエピソードを明かし「井の頭公園で撮影中に『奈緒ちゃんは何のお肉が好きなの?』と聞かれて、カモです、と。その時にカモの親子が池の上を通って…。井の頭公園で言うことじゃなかった」と反省して笑いを誘った。

風間の親友として知られる嵐の相葉雅紀(39)が主演する舞台「ようこそ、ミナト先生」も、同日初日を迎える。風間は「お互いの進捗(しんちょく)状況は共有してます。心強いです」と笑顔。この日、新型コロナウイルス感染からの復帰が発表された生田斗真(37)についても触れ「同世代が頑張っている時間はありがたいし、負けていられない」と刺激を受けている様子だった。