事故で脊髄を損傷し、車いすで活動しているアイドルグループ仮面女子の猪狩ともか(30)が27日、ツイッターを更新。国に対して損害賠償を求めた裁判で請求が棄却されたことを報告し、再発防止に向けた改善を願った。

猪狩は2018年4月、東京都文京区の湯島聖堂の敷地内にあった立て看板が倒れ、近くの歩道を歩いていた自身にぶつかり下敷きになり、大けがを負った。猪狩と両親は、湯島聖堂を所有する国に対し、安全対策を怠ったとして計1000万円の損害賠償を求めて提訴していたが、東京地裁は27日、請求を棄却した。

猪狩は「裁判の件について。私が脊髄損傷を負う原因となった看板は国の所有地内に設置されていたものですが、公益財団法人が設置したものであり国は設置や管理に関与していない為、国に責任はないという判決に至りました」と報告。「再発防止の為にも、公共物は国も定期的に点検を促すなど、改善されることを願います」とした。

猪狩は昨年5月、自身のYouTubeチャンネルに「私が国を提訴する理由と事故当時の気持ち」と題した動画をアップ。「今回、その看板の責任者である国を提訴しました。これは看板が長年管理されず、根元が腐っていたことが原因で起こってしまった事故です。逆を言えば、看板の管理をしっかりしてくれていたら、この事故は起きていなかったと思います」とし、「今回、私が声を上げることで、今後、公の建物や看板の管理が行き届き、私のように突然の事故で命や体の自由を奪われる人がいなくなるようにと思い、提訴しました」と説明していた。