公開中の映画「ベイビー・ブローカー」(是枝裕和監督)のトークイベントがが21日、都内で行われ、是枝監督と放送作家の鈴木おさむ氏が出席した。映画公開前、鈴木氏がパーソナリティーを務めるラジオ番組に是枝監督が出演。トークが盛りあがったことから今回の対談となった。
鈴木氏は今作について「この作品は最悪から始まるホームドラマなのだと思います。家族の形を作っていくことに、ホームドラマという表現が、自分的にはあっているのでは思いました」と話すと、是枝監督は「旅はいつか終わる。家族と呼べない集団なのに、離れがたくなっていく。かけがえのないものは、終わりに向かっており、普通の家族もそれは同じ。なくならないと気付かない」などと語った。
同作はロードムービーでもあるが、車のシーンはロケにこだわった。韓国ではドライブのシーンはCG合成が多く、ソン・ガンホが主演した「パラサイト」もCGだったという。是枝監督は「気付かないでしょと言われ、確かにそうだなと。でも、風が入ったり、窓を開けていうセリフなど、僕はロケにこだわりました」と振り返った。
さらに、シーンの撮影についても解説。ペ・ドゥナがOKシーンが分かる女優だとし「日本でも安藤さくらとかがそうなんです。スタッフも、これでいけるなという感覚があり、失敗しないように緊張感が走るんですが、それを分かる女優さんがいるんです」。
最後に、観客から質問も受け付けた。同作がいわゆる人身売買をテーマにしているものの、登場人物がいい人に描かれている。観客がこの点について「犯罪者を美化しているのではないか。そのあたりのバランスをどう考えているか」と質問。是枝監督は「みんな犯罪者。でも、サンヒョンは倫理観はある。僕は法を犯すことと、倫理的に踏み外すことはイコールではないと思っていて、僕は倫理が大事だと思っています」などと答えた。



