櫻坂46が、11月8、9日に東京ドーム公演を開催する。同所では欅坂46時代の19年9月以来、3年ぶりの公演。20年10月に改名して以降、櫻坂46としては初の東京ドームコンサートだ。新たな仲間と魅力が加わり、花を咲かせるステージとなる。

19年9月の前回公演は、結果的に欅坂46としては最後の単独有観客ライブとなった。初日公演のアンコールで「不協和音」のイントロが流れると、すさまじい歓声が上がった。17年末の「NHK紅白歌合戦」以来の同曲披露。鬼気迫るパフォーマンスはまさに一級の芸術作品で、伝説的に語り継がれる2日間となった。

あれから3年。グループは改名し、緑の欅から、白とピンクの桜へと色も変わった。欅坂46時代は平手友梨奈(21)の定位置だったシングル表題曲のセンターには、森田ひかる(21)、田村保乃(23)、山崎天(16)と二期生が続けて立っている。

クールな世界観から、女性らしい美しさも兼ね備えたグループへ。なおかつ、楽曲の強いメッセージ性は保たれている。欅坂46時代からの根強いファンも多いが、音楽番組スタッフなど、関係各所からアーティストとしての音楽性を再評価されてきている。8月3日発売のファーストアルバム「As you Know?」のリード曲「摩擦係数」もご多分に漏れず、楽曲もMVもハイクオリティーだ。

新戦力も加わった。20年2月に、「坂道研修生」としての活動を終えた「新二期生」6人が加入した。今では守屋麗奈(22)や大園玲(22)ら主力の1人として活躍しているメンバーもいる。前回の東京ドーム公演を経験していない世代が、新風を巻き起こしている。

櫻坂46のメンバーたちは口々に「制作が大好きです」と言う。楽曲、CD、MV、写真、ライブ、歌番組…。欅坂46時代からの傾向ではあるが、改名後はより顕著になった。大園は「まず全体アー写(アーティスト写真)を撮ってから楽曲づくりに入っていくことが多いんですけど、毎回アー写撮影が楽しみなんです。『今回はどんなテーマや世界観だろう』って」と笑顔で明かした。

「As you Know?」の最新アー写は、笑顔でメンバーたちが横一列に並んだ青写真。大園は「青写真なので、未来がこうでありますように、っていう意味が込められていて。表情はみんな笑顔で。本当に未来がこうであってほしいと心から思います」と願いを込めた。

東京ドーム公演は、9月から始まる全国アリーナツアーのファイナルでもある。魂を注ぐようなリハーサルを重ね、各地で場数を踏んで、楽曲の解釈は深まり、パフォーマンスも磨かれていく。15年8月の結成からまる7年。紆余(うよ)曲折を経て迎える2度目のビッグステージは、青写真の通り笑顔であふれるはずだ。【横山慧】