夏の甲子園大会決勝で22日、仙台育英(宮城)が下関国際(山口)に8-1で快勝し、東北勢として悲願の初優勝を果たした。同校は春夏合わせ4度目、東北勢は同13度目の決勝戦に臨んでいた。1915年(大4)年夏の第1回大会から108年目、ついに大優勝旗が「白河越え」を果たした。

宮城県気仙沼市出身のフリーアナウンサー生島ヒロシ(71)は、故郷の後輩たちの悲願達成に日刊スポーツに手記を寄せた。

 

「仙台育英の皆さん、そして『大旗の白河越え』を果たした全東北の皆さま、優勝、おめでとうございました。準決勝で仙台育英に敗れた隣の福島県聖光学院の分まで戦った『オール東北』の姿に感動しました! 思い起こせば11年前の3・11。東日本大震災の津波によって、私は妹夫婦を亡くしましたが、仙台育英も学校施設が水浸しになり、一般生徒をはじめ約600人が敷地内の建物で夜を明かしました。もちろん、野球どころではなく、まずは家族の安否確認。部員の中には親戚を亡くし、家を失った者も。入学式はようやく4月29日に行うことが出来たと聞きます。108年目の悲願達成! 13度目の正直! 須江監督の、自分のチームだけでなく、コロナ禍を必死に生き抜いている全高校生達に対する優しさ、エールにもいたく感動しました。熱く優しい監督なんでしょうね」。