8月に過去の性加害が報じられ降板が相次いでいる、俳優香川照之(56)の主演映画「宮松と山下」(関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦監督、11月18日公開)が20日、サンセバスチャン映画祭(スペイン)でワールドプレミア上映された。

「宮松と山下」は、名だたる映画監督たちの登竜門の、ニューディレクターズ部門に正式招待された。同部門のメイン会場では、600席が完売。香川演じる宮松が、異なる役を演じるごとに場内では笑いや驚きの声が上がり、エンドクレジット中から拍手喝采が沸き上がり、監督たちが立ち上がって応えた。

上映終了後、再び起こった拍手喝采とスタンディングオベーションに迎えられて監督たちの質疑応答が始まると、3人の監督たちの役割分担や、主人公をエキストラ俳優にした理由など、客席からの質問は途切れなかった。映画祭公式レセプションでは、映画祭ディレクターのホセ=ルイス・レボルディノスが監督たちに駆け寄り「とても斬新で驚いた!サンセバスチャンでワールドプレミア上映できて、とてもうれしい」と賛辞を語った。上映終了後は街を歩いていても、「素晴らしかった!」と声をかけられるなど「宮松と山下」のワールドプレミアは大好評となった。

香川は性加害報道後、出演してきた番組やCMの降板が相次いでいる。その中「宮松と山下」の関係者は「公開に関しては変更の予定はありません」と説明している。