1992年(平4)の同名映画をリメークした、Disney+(ディズニープラス)の日本発オリジナルドラマシリーズ「シコふんじゃった!」(10月26日から独占配信)はっけよいイベントが3日、都内で行われた。映画版に主演した本木雅弘(56)が、席上にビデオメッセージを寄せた。本木は「新たに復活するというニュースを聞きまして、興味津々。見せていただいたんですけど、うきうき心躍っています。正直、この作品を見ると、ちょっと人生観が変わると思いますよ。名言を1つ。『シコふんで地固まる』」と呼びかけた。

「シコふんじゃった!」の映画版は、92年に、周防正行総監督(65)が母校の相撲部をモデルに描いた。主演の本木は、コネで就職も決まっていた教立大学4年の秋平を演じた。卒論指導教授の穴山冬吉教授に呼び出され、卒業と引き換えに、かつては強豪だったものの弱体化した、穴山が顧問を務める相撲部の試合に出るよう頼まれ、しぶしぶ入部する役どころだ。

この日のイベントでは、映画版で1度も勝ったことがない8年生の相撲部員・青木富夫役の竹中直人(66)と、穴山研究室所属の大学院生でマネジャーの川村夏子を演じた清水美砂(52)、田中豊作役の田口浩正(54)、熊田寅雄の六平直政(68)、穴山冬吉役の柄本明(73)の、ドラマ版への出演も発表された。本木は「往年のオリジナルメンバーが、そこかしこに出てくるのが、目移りしてしまう。竹中さんの青木が、年月を経て、より悲哀が増している。真面目な話、時を経て、それぞれの人生があったんだなと、物語が二重に楽しめる」と笑みを浮かべた。

リメークドラマでは、コネで獲得した内定を単位不足で失いかけ、卒業を条件に廃部寸前の相撲部に入る、教立大4年の森山亮太を葉山奨之(26)、たった1人の部員の大庭穗香を伊原六花(23)が演じる。本木は「主役のおふたり…伊原さんの、すごく凜(りん)として、でもその奥に純粋な、かわいげがある魅力がはじけている。葉山さんの、すっとんきょうな味わいが、どのように変化していくか、楽しみに見ようと思う」と2人をたたえた。

サプライズで本木のビデオメッセージが流れると、映画版の公開時、生まれていなかった葉山も伊原も驚いた。イベントの冒頭で「本木さん、かっけーなというのが第一印象にある。もう1回、見ようと思った時も格好良いなと。本木さんより、格好良く出来るかというプレッシャーがあった」と語っていた葉山は「強いて言えば、クランクイン前に見て自分を鼓舞したかった」と笑った。伊原も「うれしい」と喜んだ。

この日、登壇した清水は「本木君にも出て欲しかったな。さすがですね、はい」と喜んだ。竹中は映画版の撮影現場でのエピソードを披露。「長回しで行きたかったシーンを、本木が笑っちゃうんでカットを割った。『まわし』というシーンかな。笑っちゃうんでカット割ろうと…本木の笑い顔を思い出した」と笑いながら振り返った。

周防正行総監督(65)は「女の子の間で話題にならないと日本映画はヒットしない。本木雅弘を裸にする…単なるベッドシーンで裸になるんじゃなく、絶対的に裸でいるのが相撲映画、ということで学生相撲の取材を始めた。本木さんが、いなかったら発想しなかった」と企画の立ち上げを振り返った。その上で「葉山さんが選ばれるというのが、僕らが見ている学生気質の違い…この30年の学生の違いとして、生きてくるんじゃないかな? 葉山さんが鍵を握っています」と、主人公を演じる本木と葉山のキャラクターの違いに、30年の世相の違いが表れていると分析。葉山は「ありがとうございます」と感謝した。